*赤松良子講演会と「ジェンダーフリー」再考
- 赤松良子講演会と街宣車:昨日は、午前中に高岡市男女平等推進センターで開かれた「べあてさんの会」主催、富山県民共生センター共催の赤松良子講演会に参加してきた(写真は講演される赤松さん)。関係者のみなさま、お疲れさまでした。「男女平等」や「女性差別撤廃」ということがセンターで多くの参加者としっかりと共有できたことがよかったと思いました。午後からは、富山市男女共同参画のつどいのメインイベントである市田ひろみ講演会「人生っておもしろい」も出ましたが、「男女共同参画」が何を意味するのか参加者が確認できるようなお話ではありませんでした。(お話の内容自体はよいお話で感銘を受けました)
- 「ジェンダーフリー」再考へ:女性学では1990年代半ば以降「ジェンダーフリー」を容認してきました。90年代後半には次第にこの概念が定着し、擁護する論調は一枚岩になってきたように見えました。私はそのことに強い違和感をもってきました。1昨年に『ふぇみん』にそのような記事を書かせていただいたこともありました。さる10月、『朝日新聞』と『シャキット情報』に再度「ジェンダーフリー」という考え方を使い続けるのは効果的ではない、という主張を書かせていただきました。
http://homepage.mac.com/saitohmasami/public_html/
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- これをお読みになられたら、『we』で上野さんと同じ号に載った山口智美さん(シカゴ大研究員)の「「ジェンダーフリー」をめぐる混乱の根源(1)」も同様に「ジェンダーフリー」概念を批判する論文だということがおわかりになるはずです。山口さんの論文は、ジェンダーフリーというのは日本の研究者がヒューストンの英語文献を誤読した結果、日本語として誤って使ってきた概念であるということを調べて書かれたものです。私は最初山口さんにそれを指摘されあわててそれらの論文を集めて読み始めました。上野さんの引用だけを読むと私が第一発見者のように誤解されるといけませんので真相を書いておきます。
- 『くらしと教育をつなぐwe』2004年11月号特集バックラッシュを打ち負かせ!の目次は以下です。
http://www.femix.co.jp/publication/we/index.html
- 「保守派への対応」:『we』11月号の特集には、先に述べたように、山口智美さん(シカゴ大研究員)の「ジェンダーフリー」をめぐる混乱の根源(1)や、三井マリ子さんの「男女平等を嫌う反動勢力の実像」が掲載されています。いずれもこれまで日本の女性学では一切論じられていなかった新しい研究だと思います。山口さんは、「ジェンダーフリー」概念が日本でどのように展開されてきたかというレビューをされています。三井さんは、保守反動勢力をその背景まで深くえぐり分析されています。そこでは、上野さんの「バックラッシュ? 放っておけば」という主張とは異なり、保守系議員と宗教右翼などのつながりによって「男女平等」政策が後退させられるということが懸念されています。
- わたしもこの点に同感です。自民党では「男女平等」を謳う憲法24条さえ変えようという動きが起きています。そうなれば、もちろん男女共同参画社会基本法や雇用機会均等法などすべての性差別改善に関する法律が意味を持たなくなる可能性を孕みます。この保守反動の動きは誰がどう動き、行政や議員がどのように支持しているのか、きちんと調べてしかるべき対応が必要と思います。
「男女平等EXPO」高岡: いよいよ今週イベントあります。お知らせは以下に。
http://www.danjyo-byoudou.jp/event.html
- 私も先日行われた審査会で厳正な審査に参加しました。19日に行われるパネルディスカッションにはアドバイザーということで参加することになりました。よかったらご参加ください。また、関心もたれたメディア関係者のみなさまには取材をよろしくお願いします。