柳本佑加子さんの講座
- 昨日3月16日、高岡市男女平等推進センターでスクールセクハラ全国ネットの柳本佑加子さんの講座が開かれた。ラッキーなことにホワイトリボンキャンペーン日本の辻雄作さんも同行してくださった。 DVやセクハラがなぜ起きるのか、を家長サークルの集まりである「公領域」と、それから排除された女・子どもからなる「家庭=家長の裏庭」とに分かれている社会の成り立ちから説明してくださった。柳本さんはそれを「家族裏庭理論」と名づけておられた。妻への暴力は「妻へのしつけ」、子どもへの虐待は「お灸をすえる」と表現されることがそのように男の女への支配関係を表していると話された。そういう状況を温存させているのは「法は家庭に入らず」という法律の原則であるとも言われた。その意味で、DVも「従軍慰安婦」も同じ構造にあるのだと。本来同じ根っこから出たにもかかわらず、国家の性暴力を批判する戦時性暴力を議論する場とDVを語る場の雰囲気や音の高さなどが違うのがどうしてだろうと考えてきたことについても語られた。その中で、「慰安婦」であることを名乗りでられるようになったのは、韓国の女性運動が成熟しているからだということを考えていると話された。
- 一方、辻さんは、男がなぜDVをするのか、は「男が女を自分の要求に従わせたいから」「女が従うものだという男の特権が身に染み付いているから」と言われた。この社会は「加害者(男)にやさしい社会」だと語られた。国が奮う暴力は「戦時性暴力」であり、路上で奮うと「レイプ」になり、職場で奮うのを「セクハラ」と言われ、家庭で奮われるとDV というように名前は変わるが、やられていることは終始一貫して「男による女への支配」であると言われた。これを解決するには、「男の信念と行動を変えること」それ以外にはない、ときっぱりと言われた。男性が自らが帯びている権力性をこれほどはっきりと居並ぶ女性たちの目の前で認められるのも目新しいことであり、本で読むのとはちょっと違い、ちょっと衝撃を感じた。
- 権力関係であることがわかればわかるほど、ではそんな男と男に甘い社会構造や社会関係をどう変えるかというと、簡単に処方箋が見つからなくなる。解決策の発見という点ではより厳しい局面となるのかなという気がした。
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