日本マス・コミュニケーション学会ワークショップ

discour2005-05-31

島根県浜田市での日本マス・コミュニケーション学会ワークショップ「ディスクール(言説)分析の再検討」に参加するため、島根まで行ってきました。浜田市にある島根県立大学は写真にあるように海の見えるすばらしい立地で、広大な敷地におしゃれ〜で立派な建物に目を見張りました。東京の大学のせせこましさに比べ、なんといい環境と思ったことでした。昨年今頃国際言語とジェンダー学会で訪ねたコーネル大学を思い出したくらいです。コーネルもこれまたすばらしい環境でした。これは別に写真をアップしていますのでよかったら以下でご覧下さい。http://homepage.mac.com/saitohmasami/photoalbum3.html

ワークショップは、水俣病事件報道分析の長崎県立シーボルト大学の小林直毅さんが問題提起者で、私が討論者、司会が関西大学の吉岡至さんでした。

私は、現在、イラク戦争改憲、中国、朝鮮半島との関係、「慰安婦」、性教育の排除など政治的緊迫度が高まっている状況にあり、そのような中、 メディア・ジャーナリズムに期待したいが、メディアは、NHK女性国際戦犯法廷番組への政治家介入、改ざん問題とその報道をみても、中国反日デモ報道などをみても帝国主義的な報道が目立っていることが心配だ。こんなときこそ、メディア、特にニュースにどのような操作的な権力が働いているか、どうしたらそれを変えることができるか、などを分析する言説分析が必要だということを主張しました。それと自分のフィールドをもって実際にどう報道されているかを分析せずに、理論だけ取り出して論ずるのはまずい。しかし、そうした現実もある。日本では、社会学、メディア研究などでは理論をやっているのがえらいという感覚はあるんだと思う。だから、実際のフィールドを持たない理論やさんも多いのだ。

小林さんの水俣病の50年の歴史はとても重いもので今回ワークショップをご一緒する機会があり、私も少し勉強でき、知ることができたのはよかった。富山のイタイイタイ病も報道との関係、ちゃんとみていけるといいなと思った。比較すると見えることもあるかもしれない。私もウーマンリブ報道を振り返りつつ、言説分析の意義と課題についての報告をしたのでした。