早稲田大でのメディア分析

マッドアマノ作『創』12月号:10-11

・ 先週は大雪の中、東には早稲田大学の授業、西には朝日新聞の人権研修(「ジェンダー問題を考える」)を無理無理にだがこなすことができてほっとした(この件については、改めて別項で書きます)。とはいえ大阪まで行くのに、福井の大雪で北陸線不通のため、高岡駅から富山空港に走り、天候調査中の札がかかる中、無事羽田空港に飛び立てた。それから伊丹空港へと飛び、中之島までタクシーを飛ばした(飛ばしてたといってものろのろなんですね。大阪は・・タクシー運転手さんのグチまで聞かされトホホでした)。
・ その日のうちに新幹線で品川まで戻り、翌朝富山空港にUターン。そして翌日また富山から羽田へと飛ぶというという荒技であった。我ながら今年は年末まで常に移動・移動だなあと感慨にふける。
・先週で今年の 早稲田大での授業が終わった。ばたばたしてこれまで書けなかったが、なかなか興味深い展開だった。180人の大教室で批判的言説分析(クリティカル・ディスコース・アナリシス)の手法で実際のメディア報道を題材にして分析を行ってきたが、次第に興味をもってもらえたし、毎回帰ってくるレスポンスが次第に深い感想になったので私も刺激を受けまくった。
・1月末の試験には、実際に自分たちで雑誌や新聞記事をもってきて分析したいという声が出ており、どのようなやり方で実行できるかを検討しているところだ。
・ まずやったのが、9月11日の選挙について。選挙ではメディアは小泉メディア戦略にしてやられていたので、そこを振り返ることにした。180人クラスで気になった記事をもってきてもらってそれをグループワークで分析し、グループごとに発表してもらうなんていうムボーな試みもやった。結果は、自分も他の学生の分析も楽しんだというものと、教室内の私語が増えてよくないと賛否両論だったが、、。
・ 選挙報道分析の一環として衆議院TV のサイトにアクセスし、片山さつき佐藤ゆかり氏らの郵政民営化特別委員会での質問をみてもらい、それと10月7日全国紙夕刊3紙を読み比べした。学生さんたちは、国会のヤジがすごいこと、国会ってまるで紙の読み上げだけで生の議論がなされていないことなどに大きなショックを受けたようだった。それとそういうことが報道から抜け落ちていることにも・・
・ 小泉メディア戦略を「靖国ガールズ」として佐藤ゆかり小池百合子片山さつき高市早苗藤野真紀子猪口邦子ら6名の「小泉シスターズ」を網タイツ姿のバニーガールに変身させた写真で登場させたマッドアマノhttp://www.parody-times.com/index.html(権力に盾突くパロディ新聞)の「Parody おい、ブッシュ・小泉、いい加減にせんかい!」No.20のパロディが一番うけた(『創』12月号:添付写真)。
・ 「私たち靖国ガールズは任期終了まで毎月一回参拝しまーす」というせりふがついているのだが、Eroticized bodyを持つ魅力的な女性たちを巧みに自分の主張(郵政民営化)に活用した小泉首相の戦略が「網タイツ姿」と「ガールズ」という名称に表現されており、小泉氏が女性性を利用したことをこれほど端的に描いているものを他には知らない。
・ その後、性犯罪報道について、一般紙とタブロイド紙夕刊フジ日刊ゲンダイ)の比較、現在の報道と15年前の報道がどう変わっているかなどをみた。15年前は、被害者のプライバシーを「独身で一人暮らし」とか「真面目な仕事ぶり」とかプライバシー暴露だったし、小学校の担任が6年生の女児に「いたずら」をして発覚することを恐れて殺害したということなどが書かれていた。「いたずら」も今はもはや一般紙では使われていないと思います。その意味では報道も変わったものだということを話しました。この点は、朝日新聞社のデスク以上の方への研修でもお話しさせて頂きました。やはり、報道は時代と共に時代のニーズに合わせて変わっているということが実感できたのはよかったです。これからも変わっていくはずだと思えますからね。こうした報道の変化については意外に知られていないことがわかりました。もっと発言していかねばと思いました。