あいまいな言葉を使った行政の方針こそ見直す機運を!

前のエントリではコメント欄がすごく活発になりました。関心をもってみにきていただいたみなさま、どうもありがとうございました。
そのコメント欄で書かれていたJapanTimesの記事をみてみました。http://search.japantimes.co.jp/cgi-bin/nn20060201f1.html
Japan timesの英文記事を読むと、国際社会に向けてはgender equalを宣言するも、日本国内向けには「ジェンダーフリー」や「男女共同参画」という意味の定まらない用語を創造してきたことのつけが回ってきたことがよく見えてくるな〜と思います。タイトルからして'Gender-free' hard to define, harder to sell  Vague concept morphs into anything-goes sex ed, elicits backlash・
男女平等とかじゃだめっていってつけた男女共同参画社会基本法を、英文じゃ he Basic Law for a Gender-Equal Society ってつけているのはなぜ?
しかし、ネットでは(ネット以外の活字メディアでも同なじだけど)行政のとってきた政策を批判的に振り返る議論が盛り上がらないのはどうしてでしょう。山口智美さんと私とで細々と、「ジェンダーフリー概念から見えてくる女性学・行政・女性運動の関係」サイトhttp://homepage.mac.com/saitohmasami/gender_colloquium/Personal22.html

を開設したのはそういう目的なので、これについての議論にもご参加くださいな。

なお、上野さんの記者会見の記事がasahi.comのサイトから読めます。http://www.asahi.com/national/update/0130/TKY200601300325.html
それでびっくらこいたのだけど、上野さん記事の下に「この記事の関連情報」ってところで私のエッセーがリンクされていました。『朝日新聞』富山版「とやまの目」で昨年まで連載されていただいていた時のものです。
http://mytown.asahi.com/toyama/news.php?k_id=17000149999990240 「ジェンダーフリー 意識改革より具体策を」という記事です。
2004年10月に上記直で述べたことを今日も改めて繰り返したい。
「(ジェンダーフリーを使うことの)問題は2点。一つは、抵抗の多い言葉を避けて無難であいまいな言葉に逃げたこと。第二は、あいまいな言葉であるゆえに、「性差」に焦点をあて批判されるなど保守派につけいるすきを与えたことだ。」
どうして未だにこのことが見直されないのだろうか。また、だれもこれを重要だと認識しないのだろうか。
上野さんだって、都に抗議すると同時に、研究者なんだから、行政の施策を見直す動きに走ったっていいんじゃないかと思うんですが、どう思われます?