男女共同参画推進員制度は富山県が創設

福井県のユーアイふくいの書籍撤去の元をつくったのが一人の男女共同参画推進員とされている。この制度全国にあるわけではないので、男女共同参画審議会委員と混同して理解されている場合もあるようだ。これは、富山県が他県にさきがけて作った制度である。


ここで創設した富山県の例を紹介しておきたい。内実は、運用いかんであろうが、制度としてはユニークであり、その後他県が真似たようだ。


富山県は1980(昭和55)年、デンマークコペンハーゲンで「国連婦人の10年中間年世界会議」が開催された年にこの制度を立ち上げている。


1980(昭和55)年「富山県婦人地域活動推進員制度」設置


同年には、「国連婦人の10年中間年世界会議」開催(コペンハーゲン
富山県「婦人青少年課」設置
富山県〉婦人問題懇話会設置 がなされている。


以後、1994(平成6)年「富山県婦人地域活動推進員」を「富山県女性プラン推進員」に改称
1998(平成9)年「富山県女性プラン推進員」を「富山県男女共同参画推進員」に改称

これらは、下記に掲載されていますのでご覧下さい。(このパネル、ネット発信されているので大変役に立ちます。制作してくださったYさんはじめ高岡女性の会連絡会のみなさま、どうもありがとうございます。)
http://www2.city-takaoka.jp/gec/nenpyou.html高岡市男女平等推進センター年表パネル「男女平等社会に向けた動きとその背景」


なお、正式に男女共同参画推進員制度としたのは、平成13年4月から男女共同参画推進条例が施行された頃からのようだ。同条例第15条に以下の条項がある。
男女共同参画推進員制度)
第15条 県は、県民の協力を得て男女共同参画の推進を図るため、男女共同参画計画の啓発及び普及その他の活動を行う男女共同参画推進員の制度を設けるものとする。
http://www.pref.toyama.jp/cms_sec/1712/kj00000678-004-01.html
(平成13年4月)


どのような実態かということは、私が知っていることとほぼ同じことが他市町村の行政官の報告という形で載っているので紹介させてもらおう。


兵庫県男女共同参画推進委員会第2回政策部会の概要平成13年8月2日(木)伊藤公雄委員らによる協議の内容だ。http://web.pref.hyogo.jp/danjyo/suisiniinkaipage/gijirokubukai2.htm

(委員) 推進員制度は富山県が作っている。 
(委員) 富山県の推進員制度は実態としてどのようになっているのか。
(事務局)男女共同参画推進員制度を条例で位置づける以前から、地域でさまざまな活動をしている人に協力依頼をしていろいろな県の施策を地域に普及・広報する活動をしていただいていたとのことだ。活動費として年間1万円を支払っているとのこと。各小学校区に2名ずつで全部で約500名が任命されていて、以前は要綱設置だったが、今回条例設置にしたとのことだ。ひとりずつでは活動しにくいため、地域をブロックにして、ブロック単位で県から例えばフォーラムやセミナーを開催していただく際の委託料として15〜20万円をグループに渡しているとのことである。
(委員)普及というよりはむしろ啓発的な組織であろう。
(部会長)兵庫県のイーブンネットの仕事に少し似ている。イーブンネットはほとんど女性だけでやっているのではあるが。
(事務局)富山県の推進員は活動分野が男女共同参画だけでなく地域活動全般になっている。


というわけで、こちらでは富山県の推進員制度は、うち捨てられているようだが、どうなんだろう。運用次第なのかなと思うが、男性を多く入れようとすることで、福井のような趣旨に反対の方も入ってくることにならないといいが、、と思ったりしている。