市川房枝記念会の解雇問題

友人の山口智美さんのブログふぇみにすとの雑感@シカゴhttp://diary.jp.aol.com/mywny3frv/273.htmlで「市川房枝記念会・労組組合員を解雇」という記事が書かれていた。私は、市川房枝記念会の会員でもあるので、記念会が入っている婦選会館が耐震診断の結果をうけ、使用中止の事態になっていたということはお手紙をいただいており、知っていた。しかし、働いておられる方の仕事がなくなったというのは初めてきいてびっくりした。わたしにとって市川房枝記念会は、富山の市民グループ、メディアの中の性差別を考える会で「市川房枝基金http://www.ichikawa-fusae.or.jp/020/index.htm助成金をいただき、本を出版させていただいた恩義のある団体である。婦選会館にもその市川房枝基金を授賞した時、富山から確か6名で伺わせていただき、市川房枝さんの部屋のベッドの上に飾られていた「権利の上に眠るな」という額の言葉をかみしめてきた覚えがある。長い間、無権利状態にあった女性はいまは当たり前のように政治にも職業にもつけるが、それも幾多の女性の必至の思いや、身を切られ、血の滲むような運動の成果であることを忘れるなということだと感じた。それと同時に、市川房枝さんの意志が貫かれている婦選会館に行けてよかったと思った。市川房枝さんは、みさおさんという富山の女性を養女になさっておられるので富山の女性たちにとっても、親近感がある方であった(その折りに市川みさおさんにもお会いできた)。市川房枝さんの「権利の上に眠るな」もいまだにずんと心に響いている。


ふぇみにすとの雑感@シカゴでは、「このリストラという事態。一方的な通告といい、職員の意思がまるで反映されないままに、事業内容の理事会による勝手な改変といい、断じて許されることではないと思う。」と述べているが、それはその通りだと思う。さらに、続けて、「また、これは市川記念会のみならず、全国の女性/男女共同参画センターや、女性のための活動をするNGOなどで働く人たちが、経済的に自立できる給与や雇用状況にない、という、より大きな問題を反映しているのではないだろうか。」という。これもその通りで、全国の女性/男女共同参画センターや、女性のための活動をするNGO女性団体や女性センターは、同一価値労働同一賃金が保障されていない女性の働き方を考え直し、よりよい条件にするための調査や研究や実践活動を率先して行っていただきたい場所である。しかし、女性センターですら率先して働き方を見直すアンテナの場として存在していないことはわたしも近隣の女性センターで働く人たちをみていて知っている。正規職員と非常勤職員があまりにも異なる雇用条件で働くのは常々まずいなあと思っている。しかも非常勤で働くのは夜間の警備の方を除いては大半が女性である。今回の市川房枝記念会での突然解雇のようなこともいつ起こるか分からないと不安であろう。


どこから手をつけていいのかわからず悩む問題であるが、こういった深刻な問題があることをまずは共有し、一つ一つに行動することからしか出口はみつからないと思う。会員であるわたしは、市川房枝記念会に対する期待とともに、こうした事態を残念に思うことを伝えたいと思う。市川房枝記念会のHPはこちら。http://www.ichikawa-fusae.or.jp/
さらに、詳しい情報は、三井マリ子さんの裁判支援サイトhttp://fightback.exblog.jp/でご覧になれます。