ユーアイふくいの問題その2

前のエントリー、ユーアイふくい問題で、すがいじゅんこ さんのような利用者の方が書き込んで下さったのはうれしい。わたしは、利用者の方が一人でも、センターに働きかけることが大きな力になると思っている。
だから、以下のように書いた。

ユーアイふくいについて感想や意見をセンターに届けられたことがありますか? できてよかった、とか、こういうことを必要としている人がいるよとか、、、。すがいさんがセンターにいらした時に、職員さんに一声かけて利用した感想を言ったり、利用者さん同士で話し合ったりなども有効な対応だと思いますよ〜そういったセンター内での利用者による運動、活動がもっとも有効なのではないかなあ・・?わたしは、あるセンターの職員さんに、センターって反対派からも賛成派からも「こんなひどい!」って言われることはあれど、こういう事業、よかった〜と賛同したり、こういう施設あって助かった〜などと存在意義を認めてもらえることが意外と少ないと聞いたことがあります。利用者が「存在意義」を伝えていくことが、もっとも有効な運動になるのではないかと思ったりします(もちろん、こういう方がいいなあとか、これじゃあ困るよってことも言いつつ)でないと、センターは長期的にみて、存続が難しいのではないかとすら思います。
コメント欄でdemianさんが。「センター自体の事業にどのようなことを求めていくのかということをしっかり考えて、声を出さないと」と言っておられることに通じます。


moosanが富山での学校給食のパンの例を引き合いに出して、「地元からの声を出発点とした運動でないと、問題解決には結びつかない」と書いておられます。学校給食のパンの大きさが男女で異なるという富山市のケースでは、富山は遅れている、ほっとけないと東京、関西から抗議が富山に寄せられましたが、行政は、受益者からの抗議はなかったと答えていました。議員さんや有権者の声よりは痛くはなかったように思われました。単に「声を出発点とした運動」ではなく(一時的でなく)、声を出したあとも継続して声を出し続ける運動でないと問題解決につながらないと思っています(一部改訂しました)。?その意味でセンターの今後は、地元の利用者の方たちが決められることだと思います。


すがいさんお一人の力はご自身が思っておられるよりもはるかに大きいんじゃないかなと思います。センター内での声かけ運動も是非進めてください。
また、26日にせっかく地元福井で大勢の方が集まられるなら、そこで地元の利用者さんたちがこのセンターをどうしていきたいか、を話し合う時間をとってもらうように提案されたらどうでしょうか。


このように書いたのは、以下の理由からだ。女性問題では、ジェンダーフリー政策や条例、センターについて、ことが起きると、全国から署名をとったり、行政に抗議を出すなど動員をかける運動が行われている。それ自体がまずいというのではない。しかし、地元主導での運動を待ってもいいのではないかと思う。もしそれがうまくはじまらなくても、それが地元の現状なのだ。他の土地の人がやきもきしてもどうなるものでもない。地元に運動がないまま全国から賛同者を募る運動をしても、地元行政を相手にする場合は、行政をかたくなにするだけではないのか。富山の学校給食のパンの男女差問題でも、福井の例と同じく、朝日新聞と全国型の女性学者中心の運動が火付け役となったことは同じだった。その場合に、地元行政は逆にてこでも動かないという態度だった。(その後、パンについては、児童が大小を選択する方法に変わった。性差別問題には触れない方法で対応された)


今回のユーアイふくいでの保守派の戦略は、まさに地元活動を主とし、全国にもネットを張るという正攻法を地でいっているようなのだ。福井の保守派は、福井県男女共同参画条例に基づいた男女共同参画推進員の公募制度を利用し、推進員になり、図書選択への異論があれば、男女共同参画条例に基づいた苦情処理制度を活用し男女共同参画とはなんぞやとその定義を問題にしているようだ(あくまでネット情報によれば、ということだが、、、)。。同時に県議会において問題となる図書を糾弾するということも併せて行っている。そしてそれを世界日報で全国に広げるという全国展開型の運動も同時に推進している。敵ながら(?!)、地元での運動と全国展開の運動をうまく連動させているなあと思う。


そういう現状をみるにつけ、女性運動は全国をネットすることも大事だが、まず足元を固めることを優先したほうがよいと思う。東京都民だって千葉県民だって、埼玉県民だって、地元で足元をこそ踏み固めていただきたきたい。それらの地方では、女性問題の行政施策がよそに波及してもらっては困る状況になっている。むしろ、福井よりもまずい状況かもしれないと密かに思っている。他県の行政施策に口を出す余裕があったら、地元の女性センターや男女平等や性に関する施策に口を出していただきたい。それぞれの県(都)の女性問題施策に優れた専門性を注いでいっていただく方が先なのではなかろうか。


フェミニズム側が保守派の仕掛けた運動への対抗として、全国展開型の運動で対応しているのでは、分析と対策が不十分というのがわたしの見方です。すがいさんのような方には、ぜひセンターに来ている方にこえかけしていただき、集まりを持ったり、センター職員と日頃の関係を通して意見を言っていかれるといいなと思っている。