女性センター関連

デビューボさんのブログで女性センター関連で興味深いことが書かれていた。http://d.hatena.ne.jp/debyu-bo/20060816/1155738125#seemore

今日、福岡県の女性センター(今は男女共同参画推進センターになってますが)のライブラリーであるチラシを手に入れた。
福岡県が「結婚への夢・あこがれ・素晴らしさ」を伝える作品の募集を行うらしい。これは福岡県の少子化対策の一環で、昨年策定された福岡県次世代育成支援行動計画のなかの「新たな出会い応援事業」の一つとして位置づけられるようだ。


さらに(少子化対策の一環なのである意味当然ではあるけれども)、結婚がテーマなのに子供用のシャツが男女のシャツの間に。別にできちゃった婚を推奨しているわけではなく(否定もしていないだろうけど、というより、ある意味歓迎しているのかもしれないけれど)、重点は結婚自体ではなくて結婚して子どもを産めってことにあるわけだ。

(子どもを増やすという意味での)少子化対策なら「結婚の夢」とかいわずに「子づくりの夢」とかストレートにいっちゃえばいいのに。ていうかていうか、「結婚」を前提としている時点でなんだかなと思う。本気で出生率を上げたいならもっと抜本的なところを変えていかないとダメなんじゃないの、と。


まあでも、福岡県がこんな事業をやろうとも、こんなチラシを作ろうとも今さら驚きもしないのですが(住民としては腹立たしくはあるけれど)、今回一番引っかかったのは、このチラシが女性センターのライブラリーカウンターの一番目立つところにデデデンと置いてあったことだ。


これまで書いてきた福井のユーアイふくいのことで取りあげてきた女性センターのお話とつながる話なのです。次世代育成支援が、男女平等とか人権を圧迫するような計画になっているようなのだ。女性センターが「人が安全で満ち足りた性生活を営み、子どもを作るのか、作るならばいつ、何人、誰と、どこで、妊娠・出産するのかを自由に決められ、性別・年齢にかかわらず、自分の性と生殖について身体的・精神的・社会的に良好な状態であること。」という性と生殖の権利(リプロダクティブ・ヘルス/ライツ)を侵害しかねないところに来ているようなのだ。(リプロダクティブヘルスやライツについては、人口政策として取り扱う時でもここまでは人権として押さえるという意味で、国連人口基金の用語集を参照しました。http://www.unfpa.or.jp/5-2.html#RA01


しかも、これ福岡だけではなく全国蔓延中みたいだ。奈良県にもこんなのが、http://www.pref.nara.jp/kodomo/jisedai/新 結婚ワクワクこどもすくすくPlan
で、「男女が結婚や出産・子育てを肯定的に捉えることができるような風潮づくりに努める」と、行政お得意の意識啓発になっているのはリプロダクティブヘルス・ライツの点から問題では? もっと基幹労働者の長時間労働とか非正規労働者の賃金格差のほうこそ、手をつけてくれないといけないのに、、、。

で、さっそく富山県のプランをみてみました。富山県の未来とやま子育てプラン(次世代育成支援富山県行動計画)はこうです。http://www.pref.toyama.jp/cms_sec/1201/kj00003305.html
http://www.pref.toyama.jp/cms_sec/1201/00003305/00069088.pdf
以下に触れている点はいい。

3 男性を含めた働き方の見直し ...................................................46
4 再就職・再雇用等の促進 .........................................................47

しかし、以下のような箇所もみつかった。

この計画の目標を次のとおり定めます。

子どもがいる喜びや幸せを地域のすべての人が感じ
子どもを安心して生み育てることができ
子どもが尊重され、たくましく健やかに育つ 社会の実現

「子どもがいる喜びや幸せを地域のすべての人が感じ 」だと、子どもを持つことが幸せという考えになり、不妊の人や、子どもをもちたくないと思う人には圧迫になる表現であり、まずいのではないかと思う。


数日前にNHK福井県出生率アップさせたことを取りあげていたらしいし、、。今緊急にチェック必要なのは、この「次世代育成支援」関連かなと思えてきました。しかも女性センターを使ってこういった施策が進められているとしたら、女性センターは何のためにあるのやらと思えてきます。それぞれ地元のセンターがどういった施策を進めているのか、興味を持って調べてみましょう。


なお、ふぇみにすとの雑感ブログではhttp://diary.jp.aol.com/mywny3frv/293.htmlNWEC夏のフォーラムのワークショップ一覧をみて、「差別や、具体的な問題解決という視点が相当弱まってしまったなあという印象です。」と書かれています。NWECは国の女性センターにあたります。全国の女性センターが今、実際どういった施策を進めておられるのか、それぞれの地域のセンターに関心を持って調べてみましょう〜。