富山県の男女共同参画施策と少子化対策

昨日の男女共同参画施策としての結婚奨励事業には、たくさんのコメントをありがとうございました。結婚についてのキャッチフレーズを求めるより、「格差社会に生きる達人」とか、「かっこよく節約して、賢く社会貢献する(NPO市民運動へ寄付など)達人」、あるいは、「こんな生き方萌え」とイマドキ世代が言える人などを募集したらどうだろうか。みんなが話を聞きたいと思う人を呼ぶっていうわけ。この方が、幅広い層に女性センターが関心持ってもらえるんじゃないかな。
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ところで、富山県男女共同参画施策としての少子化対策はどうなっているのだろう、、。県が行動計画についてパブリックコメントを実施中というので、県のHPを覗いてみました。
http://www.pref.toyama.jp/cms_sec/1712/kj00003971.html で、気づいたのは、富山県男女共同参画計画の見直しにあたってその観点を「少子高齢化の変化」としていることだ。以下、パブリックコメントを求める文面から。

しかし、富山県男女共同参画計画については策定から5年が経過し、この間、国においては平成17年12月に「男女共同参画基本計画(第2次)」が策定され、また、県においても
新しい総合計画の策定作業を進めています。これらの動きに対応し、少子高齢化など社会情勢の変化も踏まえて、計画を見直すこととしました。
(中略)意見募集の締め切りは9月5日です。


それでもって、男女共同参画計画の指標として合計特殊出生率の目標値があげられているのにびっくりした。どうしてこれが、「男女共同参画の視点に立った意識啓発」(基本目標3)に該当するのか、わからないことになっていた!! http://www.pref.toyama.jp/cms_sec/1712/kj00000704-009-01.html


富山県男女共同参画計画 関連指標(目標数値)
合計特殊出生率

1999年  2005年   2010年
1.43    1.5     1.6

これでいったいどういった施策をとるのだろうか? ざっとみたところ、行動計画には、「固定的な性別役割分担意識の解消」とだけあって、具体的な施策は男女共同参画週間、サンフォルテフェスティバルやDUoの都度理解祭、「女と男のパートナー会議」の開催などしか書かれていない。サンフォルテでの講座や研修の充実が盛り込まれているか、花婿養成講座でもするのだろうか。社会制度や慣行について、社会的な合意を得ながら男女共同参画の視点にたった見直しに務める、というのもある。あとは職員の旧姓使用の周知だということだ。

この指標に関して言うと、性差別の撤廃を示す指標と思われるものは少なく(なにかあるのか?)、男性も参加しているという数値が目立つ。例えば、男女共同参画推進員の男性比率や、富山県民共生センターの各種講座受講者に占める男性の割合を目標値するくらいなら、若年非正規雇用を含めた女性の非正規雇用の割合の改善こそ、指標に上げるべきだ。こんな指標でどうやって、基本理念のトップにある「男女の人権の尊重」(条例第3条)が達成できるのか、大いに疑問である。一体、何のために男女共同参画社会基本法が制定されたのか、また各地で男女共同参画(平等)社会推進条例が策定されたのか。もう一度思い出し、意見を言っていく必要があることがわかった。昨日のコメント欄に書いたが、2003年頃、新エンゼルプラン、少子化対策基本法、次世代育成支援法が制定されたあたりでターンしたようだが、現在の男女共同参画施策は、少子化対策が徐々に主流化していく危機的な状況にあるんではなかろうか。それぞれの地域の男女差別や性についての権利がどのような状況にあるのか、点検することをお勧めしたい。また、みなさん〜、意見を言っていきましょう!!


ちなみに、「第3条 男女共同参画の推進は、男女の個人としての尊厳が重んぜられること、男女は平等であり性別による差別的取扱いを受けないこと男女が個人として能力を発揮する機会が確保されること、その他の男女の人権が尊重されることを旨として、行われなければならない。」http://www.pref.toyama.jp/cms_sec/1712/kj00000678-004-01.html