富山県議会議長の「問題」発言

 昨年11月1日に富山市において内閣府及び富山県主催で開催された「男女共同参画フォーラムinとやま」で県会議長である米原富山県議があいされされ、「男女共同参画社会とか聞いて、いつ頃からこういった制度ができたのでしょうか。男女共同参画社会という話がでて耳にするようになりましてから、社会全体がそうした様々な問題が起きているという気がしてならない。」との趣旨の発言をされたそうです。その「問題」発言に対して、シャキット富山が昨日議長に対して公開質問状を出したそうです。

 あ、世の中のさまざまな「問題」に男女共同参画政策が絡んでいるという意味での「問題」発言です。今日の朝日新聞、読売新聞、北陸中日新聞が取り上げているようです。ということは、これは「問題発言」と広く認識されているんではないかという気がします。以下は、北陸中日の記事です。どう読まれるでしょう?

県議長あいさつ「不適切な部分」シャキットが質問状(北陸中日新聞2007年1月31日)

 民間非営利団体NPO)「シャキット富山」(氷見市)が三十日、昨年十一月一日に富山市で開かれた「男女共同参画フォーラムinとやま」での米原蕃県議会議長のあいさつに不適切な部分があったとして、質問状を提出した。
 質問状によると、米原議長はいじめや不登校などの社会情勢に触れ、「(男女共同参画社会は)いつごろから制度ができたのか」「男女共同参画社会、男女共同社会という話を耳にするようになり、決して皆さんが悪いと言っているのではないが、さなざまな問題が起きている気がしてならない」などと話した。シャキットは議長の男女共同参画社会への認識と「さまざまな問題」と男女共同参画とがどう結びつくのか、文書で回答を求めている。
 これに対して米原議長は「男女が助け合わなければならないのに『個』ばかりを主張する人がいるということを言いたかった。言葉が足りず説明が不十分だったかもしれない」と話している。(竹内章)

 わたしはこのフォーラムに出ていないのですが、聞くところによると「さまざまな問題」といって県議長が挙げられたのは、高校の未履修問題から始まって、いじめの問題、不登校の問題、虐待であるとか、親を殺すとか、子どもを殺すとかといった問題のようです。この中のどれとどれが男女共同参画と関係しているとか、いった具体的な話をされたわけではなく、えっ、よくわからん!といった感じのお話だったようです。でも、総体としてみると、男女共同参画が始まってから世の中が悪くなったという印象を与える話しだったから、公開質問状になったのではないかと思います。今男女共同参画の旗色悪そうだから、なんでもゴミ箱にいれちゃえーというわけではないんだろうとは思いますが、ちょっと感情が表に出たご挨拶だったのではないかと思ったりします。


 まあ、男女共同参画政策が「ジェンダーフリー」に代表される「女らしさ・男らしさから自分らしさへ」という意識啓発事業にとどまっているのも一定の事実で、それが男女共同参画がぼやけた印象を与えることになっていると思うところもあります。「男女が助け合わなければならないのに『個』ばかりを主張する人がいる」という心は、「男や家庭を主に考えずに、自分らしさを追求する女が増えてきた」ということなのかな。これも意識啓発イメージばかりが目立つ男女共同政策の弊害と言えないこともないような。


 男女共同参画行政は、いい機会だから、啓発事業からジェンダー格差解消策へときっちり転換し実を上げる政策にしていく必要を感じます。セイフティネットを単にDV関連のみにとどめず、グローバル化による格差社会により生じているさまざまな問題、例えば移住女性の問題などへと広げていく必要があります。


 公開質問状の提出が時あたかも柳沢問題発言で世論が盛り上がっている時だったこともあって、各紙が記事にしたのかなと思ったりしますが、いずれにしろ、政治家がこんな場に出ていって素朴な思いをるる述べるのはどう考えてもまずいです。ともかく聴衆、その多くは女性を日ごろから軽くみているのが素朴に出ちゃったんだろうなーと思います。春には県議選もあります。有権者は政治家の考えや施策をしっかりみていますよー。