高岡市の男女平等政策の見直しは?

高岡市の男女平等推進のための調査報告が市のHPにアップされていましたが、以下のように女が管理職など意思決定過程に参加できていない状況を意識調査からあげ(あげないよりましではありますが)、それでその実態が起きるのは女の意識が低いからという回答を引き出してそのまとめとしているのをみて唖然としました。高岡市の男女平等・共同参画推進状況等(年次報告)この5頁に高岡市の男女平等・共同参画に関する意識・実態調査の概要が載っている。

(1)事業所における女性の参画状況
平成17年3月、本市で実施した「男女平等・共同参画に関する意識・実態調査」の中で、「就業の状況と職場における女性の地位」の項目についての主な内容は次の通りである。
 「女性も管理職に就いて、経営方針や企画に積極的に関わっている」かについては、肯定意見(「そう思う」「どちらかといえばそう思う」)が全体では27.9%、否定意見(「どちらかといえばそう思わない」)が全体では41.6%で肯定意見を上回っており、男女格差が意識されている。また、「女性は責任が重くなるのを敬遠している」かについては、「そう思う」「どちらかといえばそう思う」の回答が過半数を占めている。


このようにまとめている。「就業の状況と職場における女性の地位」の項目について内容がこれだけなのだ。「意識の遅れ」だけを浮き彫りにしたかたちだ。だからこそ行政施策が必要なのではないの? これでは何のための調査か・・・行政が無策であることを市民女性の意識の低さに責任転嫁することになっています。これは、女性の参画推進のための調査報告じゃないですねー。これじゃ、「だれもが住みたい・行きたいまち高岡」市長メッセージとは思えないよね、女性市民は・・。あーあ。名称だけ「意識・実態調査」と書くなよなと思う。なぜ女性が管理職にあがれないのかの実態を調査してはじめて「実態調査」で、これは「意識の実態」調査でしかない。


ついでに目に入ってしまったぞ。あー・・・。2頁に、「高岡市における女性委員の登用状況」のデータ出ていた。年次報告(平成18年度)

■審議会等の女性委員の比率の目標値は30.0%(平成17年度末)
実際の登用状況 平成18年  839人中205人で女性委員比率は24.4%(うち旧高岡市が28.5%)
■行政委員会における女性委員比率の目標値は20.0%(平成17年度末)
実際の登用状況 平成18年  50人中9人 18.0%(旧高岡市34.6%)

これは男女平等推進プランで数値目標をあげている数少ない領域である(このデータが重要だとわたしは主張したいのではない。高岡市行政における女性管理職比率や企業における管理職比率などの目標値をあげるといいのだが、前の計画策定時にそれはできないと行政が主張されてこういった大勢に影響のない指標となったという経緯がある)。2005年年度末(平成17年度末)の目標が30.0%としているのに、平成18年度は24.4%とダウンしている。目標を達成できていないのである。しかも大幅に・・。これまで高岡市はこういう低い水準で満足していることはなかったのにどうしたかことか。行政委員会についても、18年度は18.0%とダウンしている。まあ合併があったから仕方ないねと思う方もあるだろう。でも、よくみてみると審議会等の女性委員の割合は、旧高岡市においても28.5%と前年度の30.3%を割り込んでいる。合併が理由ではなく、高岡市がこの指標を自分で作っておきながら重視しなくなったのかなあ。フシギだ。
 

ところで、このチェック機関である男女平等推進市民委員会がこの年次報告が出される直前の8月28日に第二回会合が開かれて以来開催報告がなされていない。第二回男女平等推進市民委員会会議資料プランの進捗状況を結果をつけずに報告しているが、どうしてデータがあがってくる直前に開催しているのかなー。この後ろの方についている年度の予定をみると当初から8月に「主な取り組み状況」を報告することになっている。年次報告がでてくるのが毎年9月なのに、それ以降はどうなっているのかな。あ、9月に第三回が開催される予定になっているが、アップされていないぞ。10月に、今後のプラン見直しのための「起草委員会」なるものが2度開催される予定になっている。何を「起草」するのだろうか。もう起草されたのか?このような現状を把握したうえで起草されているのならいいが、報告だけみていると、なんだか脈絡のない報告だ。これをもとに新たな5カ年計画が立てられるとしたらちょっとアブナイぞ。委員のみなさんのがんばりに期待したいです。よろしくー。

久々に、男女平等政策について吠えてみました。次には、富山市の議会発言を年1回20分にする「トンデモ平等・公平主義」を議論したいと思っています。これまたとても興味深い「トンデモぶり」ですのでお楽しみに。