シカゴから帰った

 シカゴとセントチャールズへの旅から帰ってきました。6月30 日に、イリノイ州セント・チャールズにおいて開かれていた全米女性学会にて、日本のバックラッシュフェミニズムの攻防についてのパネルを無事終えてきました。現在の日本社会でのバックラッシュの事例を提示しそこにみえるさまざまな課題を論じるものです。山口智美さんが「ジェンダーフリー」という概念の発明とその後の迷走ぶりを、小山エミさんがジョン・コラピントの"As Nature Made Him"というマネーが扱ったデイヴィッド・ライマーの事例についての翻訳本(『ブレンダと呼ばれた少年』)がどのように利用されたか、そして私は富山市の学校給食での女子差別が発覚した際に保守勢力によりどのようなバックラッシュを受けたかという3つのケーススタディーについて報告し、ノーマ・フィールドシカゴ大教授が参加者が多いアメリカ社会での事例と結びつけたコメントをされました。

 詳しい報告は追ってしますが、おもしろかったのが熊本のマスコミ学会同様、会場では「産む機械」Tシャツや「憲法9条を守ろう」と英語と日本語で書いたメッセージ性の強いTシャツを着て登場したのですが、熊本よりも今度のほうがはるかにリアクションありましたね。macska作「産む機械」Tシャツは、みなの注目の的!!エレベーターに乗っているだけでそれいいね、何の?と声をかけられました。憲法9条Tシャツもしばしば説明を求められました。"Preserve article9"って何?と・・

 そこでパネルでは、着ているTシャツについて冒頭でノーマ・フィールドさんが触れ、山口智美さんが説明をしてからパネルをはじめるという趣向をとりました。日本の厚生大臣の発言からこのようなTシャツが生まれたことを説明すると、会場からは「おーー」というため息が漏れました。

 会場では、このようにポリティカルであることに共感がもたれ、多くの方がうなづきながら発表を聞いて下さっていたのが印象的でした。また、和やかな雰囲気で笑いが漏れる場面も多く、朝8時という最悪の時間帯であったにもかかわらず参加者は思いの外多くさらに質問やコメントもたくさんいただきました。ノーマさんのコメントを含めて議論については追ってブログにあげたいと思います。山口智美さんやmacskaさんも報告されるのではないかと思いますのでご注目を! 今日はとりあえずここまでにします。