国立女性教育会館の夏の研究・交流フォーラムへ

明日、国立女性教育会館夏の研究・交流フォーラムで「地方からの発信ー男女共同参画センターは、誰の役に立っているの?」というワークショップに参加します。午後4時から6時までの予定です。


日本の男女共同参画(いわゆる女性)センターでは、「女性のキャリア形成とチャレンジ支援」とか「安全・安心と男女共同参画」「地域の活性化と男女共同参画」とかいうように、トップは国立女性教育館から都道府県、市町村の男女共同参画センターはどこもやることがよく似ています。「地域の活性化」といえども、切り口は行政主導の発想だったりして、女性センター回りでは、特に、「地方分権」という認識が弱いように思っています。そこで、地方の女性センターにこだわり、そのあり方をミクロにみる中から、全国のセンターに共通の課題に迫ろうという趣旨です。


わたしは、「情報誌に見る市民と自治体のパワー・バランス」を取りあげようと思っています。現在、「市民との協働」がブームのようにうねりを見せていますが、これまでだってさんざん「市民参加」というかけ声でセンターへの協力をやってきたわたしたちなのです。しかし、果たしてこれまでの「市民と行政府・行政官僚」とのパワーバランスはどうだったのか? 財政や権限、対価について市民と行政職員は、それぞれ対等性が確保できていたのだろうか? これらの検証はできているのだろうか。それがしっかりなされていないで今また「市民との協働」になだれをうっているのではなかろうか、という危機感を持っているのです。


わたしはメディアの言説分析を使って、センターをめぐる市民と行政府官僚とのパワーバランスを検証したいと思っています。センターの運営協議会に関わった経験も合わせて議論したいと思っています。わたしの情報誌分析や協議会の参加経験からみると、これまでの女性センター回りの市民と官僚のパワーバランスでは実態は、市民の方が知識も情報も人脈も豊富な資源を持っているにもかかわらず、行政府と官僚が権限と予算を握って離さないので市民の豊富な資源はせいぜい有償ボランティアやおざなりの審議会・委員会参加で提供させられる、というものでした。権力の実態と名目にズレがあったように思います。


「市民との協働」と名前を変えても、このパワーバランスが変わることがないのでは、真の「協働」はありえません。お金と権限を語らずに「男女共同参画」を手弁当で支えてきたのは事実ですが、そうした「市民参加」はもはや限界だと思うのです。これまでの「市民参加」の検討を十分に踏まえた上で、市民と行政の力関係のズレを問題にしたいと思います。このパワーバランスに自ら乗ってきたことを自省的にとらえることスタートしたいと考えています。


自分の報告についてしか書きませんでしたが、全国各地のセンターについてさまざまな報告がある予定です。関心のある方、現地でお会いしましょう。また、追って事後報告をしたいと思います。


なお、きのうの晩の地元での練習会でダメだししてくださったみなさん、ありがとうございました。コメントをうまく活かせるといいなと思っています。また、このワークショップに、わたしの古くからの友人がなんと「青春18切符」で富山からかけつけてくださるということで感激しております。いいワークショップにしたいです。