偽装ネーミング

中国ギョーザ中毒ニュースをみて、安全・安心を謳って商売しているCO-OP生活共同組合の商品が消費者を欺いている「偽装ネーミング」であることが気になった。「CO-OP手作り餃子」や「CO-OP本場中国肉餃子」というネーミングは、いかにも消費者を騙している。そこにあざとさを感じるのは私だけではないだろう。確かに、「お弁当大人気! ミニロールキャベツ」(ジェイティフーズ)「ごっつ旨いチャーシュー6枚入りラーメン」(加ト吉)というのもなんだかなーだけど、「手作り」や「本場中国」ということばの偽装度とは、スケールが違う。特に、「手作り」というのは消費者にほっ!安心と思わせる効果が大きい。しかしながら、この中国の「天洋食品」は商品一覧を見る限り、ベルトコンベヤーをイメージできても、「手で餃子を捏ねて皮に詰めている」といった手作りとは天と地の大規模工業生産による商品なのだろうと想像される。しかも、販売しているのが、生協であるところにこの偽装の深刻度がある。


CO-OP商品は、私企業ではなく、組合員から少額の出資金を募って運営されている団体の商品である。生協は、単に低廉な価格で販売するというだけでなく、最近では無農薬野菜、産地直送を謳ったり、安全な食品の提供を主張したりするなど消費者運動というイメージもある。それなのに、忙しい消費者の気持ちにつけ込んだこのネーミングはあまりにも悪辣だ。


かつて消費者運動にかかわっていたことがある。その時生協活動にも参加していた。ある時、生協の事務所を訪ねる機会があった。そこで見たのは、背広をきた男性たちの一群であった。おじさんたちがたくさん、たばこをふかしながら優雅に働いているようにわたしの目には映った。日々忙しく商品を配送してくるおにいさんたちとのあまりのギャップに驚いた。また利用者女性に安心な商品情報や食品のおいしい食べ方などの情報発信する本拠地が中高年男性がたくさん働いている職場であるという事実を知ってわたしは生協活動から手を引いた。


その時の不信感は、多数の女性組合員と少数の男性理事から成る組織のうさんくささだった。今回も、多数の女性組合員に受けそうな「手作り」を偽装ネーミングと知りつつ使い続けていた生協幹部への不信感は大きい。生協なんかに騙されるなと言いたい。