「男女共同参画」が国土交通省の殺し文句?

「女性オピニオンリーダー」「男女共同参画」「政策や事業への女性の意見の反映」が国土交通省の殺し文句らしい。保坂展人のどこどこ日記『阪神国道事務所50年史』は1冊800万円だった !! および、「道路」に迷う福田迷走と『道カフェ』の謎 に、国土交通省が「道路特定財源を使って、道路特定財源を守女性の草の根運動もどき」を行っていたということが載っている。後者は福島みずほさんの国会質問によるものらしい。その時に女性たちに参加させるときのいわば「殺し文句」がこれらしい。「女性の草の根運動もどき」とはなんと・・・しかし、女性運の草の根運動をターゲットにするとはと、感慨も感じる。これまであまり権力やお金を持っている団体から狙われているという認識がなかった草の根女性運動だからこそ、お金の潤沢な国土交通省には気をつけないといけないぞ。特に、「男女共同参画」と言われたら、本当は何を言いたいの?と疑ってみるくらいしなくてはいけない。


みちづくりと女性についてのサイトを見てみた。たとえば、 こちらとか。活動報告も事業名がずらり、と写真だけ。事業としてやっていることも、こちら を参照すると、「ふるさとの道や町」について短歌や俳句を募集して男性の審査員が優秀賞を選んでいるだけに見える。一体、何のために「女性の参画」をやっているのか、成果が見えてこない。これでは、「国土交通省は地域の女性たちの意見も伺っています」という免罪符に使われてしまうだけに終わるのではないかと不安に駆られる。あ、免罪符といえば、国土交通省の税金流用や税金の無駄遣いを、お金に清い「地域の女性たち」や「草の根運動」イメージで消し去ろうというのか? とんでもないことだ。


ついでに言うと、なんで「みち」「まち」と平仮名になるのか、不明だ。「平仮名=女性」なのかもしれないが、審査員を男性にしているし、審査員に関係ない国土交通省の役人を入れているし、一体何のためのNPOなのかと疑問に思われるようなことはやってほしくないぞー。


国土交通省が草の根女性団体に秋波を送っている場面は、わたしも直接その場に居合わせたことがある。4年前のことだ。どうもあやしいと思い、その会場でも疑問に思ったことを手を挙げて質問したし、終わってから楽屋にいって出席されていた国土交通省の役人の方に次のように質問もした。「省内に女性スタッフも居られるというのに、地域の”女性”だけを集めて何をしたいのか」と聞いたが納得できる答えはなかった。なんかあやしいものを感じたものだ。

ただでさえ忙しい女性たちを集めて、「安く(ただで)利用したい」という国土交通省の男社会ぶりには呆れた。国土交通省にも女性がいるというお話だったので、では地域の「女性」にはことさら何を期待するのですか、という質問をしてみたが、あまりよくわからなかった・・。


ブログでも2回に分けて書いている。詳しくは、国土交通省とイラスト および国土交通省とジェンダーに書いているのでご覧ください。


保坂さんや福島みずほさんによって、地域において「男女共同参画」ということばで女性たちが財源守るために使われているらしい実態の一端が明らかになった。
現在、「男女共同参画」が、その内実を問わずにこのキーワード(呪文?)だけを叫ぶ心配な傾向になっているが、ついになりふり構わぬ国土交通省にまでご都合的に利用されるようになっている。「ジェンダーフリー」「ジェンダー」に続いてという感もあるが、「男女共同参画」が使われたら、しっかりとその意味を確認してから使うということがなにより大切になってきたことを感じた。