世の中と逆行していても自分の確信を信じる

おくりびと」の原作である「納棺夫日記」を1993年に刊行した「桂書房」は、志と心意気に富む勝山敏一さんが1981年に始めた出版社であり、富山市の町外れ呉羽山のふもとにある。窓に「桂書房」という張り紙があるだけであとはフツーの民家と何も変わらない「社屋」だ。

前エントリーでそんなことを書いたら、地方の出版社が出した原作だったとは「知らなかったー」と言ってくださる方があり、本ブログが担いたいと思っていた役割を少し果すことができたような気がしてうれしく思った。お礼にといって、読み応えのあるサイトを紹介してくださったりしたのもうれしいことだった。ここなら書いていそうと訪ねてくださったり、、。信頼を裏切らないようにしなくちゃ、、(というほど大げさなものでもないが)。

また、当初滝田監督と青木新門さんにだけ注目していたマスメディアもその後、「監督、小説作者、出版社社長は富山ゆかりの人だった」(毎日2月24日)と出版社や代表にも光を当てるようになっていった。よかった。よかった。「掘り出しニュース」とかわざわざつけてクローズアップしていたのは謎だったが。

「世に出した勝山社長、残る作品と直感」などとも紹介している。 しかし、「「おくりびと」外国語映画賞 “富山人トリオ”県民ら誇らしく」というように、なんでも「県民の快挙」とするのはちょっと違う気がする。勝山さんは県人だからすばらしいのではなく、富山で富山の作品を発掘して世に出す仕事をされていること、しかもそれが「いかに世の中の流れと逆行していようと自分の確信を信じて出す」というその志がすばらしいのだ。いつものようにわたしのひねくれかもしれないが、スポットライトのあてどころが違うと感じた。

でもまあそれでも紹介してくれただけでもいいや。わたしはわたしでこれからもひねくれでもいいから、「よそとはちょっと違うまなざしで、地方と女性が元気になる」ような記事を発掘して紹介していきたい。「世の中と逆行していても自分の確信を信じる」という点では勝山さん同様、ひねくれ魂はもっているつもりだから。