どぶ板会議ーNPOで食えてる?!
なんか最近、ブログ放置になっているのはまずい。きのう標記のワークショップに参加したのでその感想などつづってみたい。
高岡であったグループeの「どぶ板会議ーNPOで食えてる?!」に参加した。市内で事業展開しているNPOの「えいぶる」(障害者就労市恵園/パン屋/コロッケ屋/レストラン)事務局長の松尾世志子さんとウエルネット(住宅リフォーム/富山型デイサービス)代表の雄川友美子さんをゲストに、NPOでやってどうか、特に、経営、運営について現状と課題について話し合った。コーディネーターは本田恭子さん。高岡市男女平等推進センター登録団体が行う年に1回の活動発表Eフェスタ2009のワークショップの一環として行われた。
NPOというと理念や社会的意義についてはよく語られるが、特定「非営利」活動法人という表記法もわざわいしているのか、経営、運営いわゆるソロバンについて公に語られることはそう多くないように思う(もともと「市民活動促進法」であり「市民活動法人」のはずだったという。詳しくは、http://blog.canpan.info/waki/archive/349を参照。)
きのうは、お二人にそこのあたりの一番厳しい現実について語ってもらった。運営上のお話を聞いていると、資本金、初期投資、運転資金をどうやってつくるかとか、人件費のてあて、社会保障費が結構重くのしかかってくることなど中小企業の課題と変わらない話が次々出てくる。わたしのNPO特定非営利活動法人というイメージは、「ボランティア活動をはじめとする市民が行う自由な社会貢献活動」といったNPO法の原初的なものにとどまっているのかなとふと思った。
同時に、そうした「NPOなら」というNPOの社会的貢献部分の好イメージがNPOでの起業の背中を押していることもうかがい知ることができた。また、単純労働が減っていく中、障害者の就労を進めるために、「NPOなら」とはやる気持ちになるのは十分理解できる一方で、運営し利益を上げて給与を支払っていくという作業が理念だけでは成り立たない営利活動であることを考えると、「NPO」の実態とイメージにはギャップもあるようにも感じた。まあしかし、そういう中でNPOの幅が広がり実態がつくられていくのであろうし、それによって確固ととしたNPO の存在感も生まれていくのであろう。
きのうお話をお聞きした方たちも、また会場に来ておられた別のNPOで働いている人たちもほとんどが女性であった。自分の意に添わないことをするよりもNPOで起業できることを喜ぶ気持ちもある。その一方で、社会的貢献活動に惹きつけられるのが女性に多いことへのわだかまりもないわけではない。わたしたちの仕事の選択肢の狭さが気になるのかとも思う。
最後に、なぜ「どぶ板会議」かについてつぶやいておく。選挙で使われることばだが、地域のすみこまで歩いて、一人一人の顔をみて声をかけあってどうしてるー、と顔を合わせ声を掛け合うように、わたしたちも仲間の一人一人が抱える問題を掘り起こし共有していくことが大事だという思いから発したものだ。これまでこの地の女性たちのやり方は、えもすれば行政に要求を突きつけ、行政に何かをやってもらうような要望運動に大きなウエイトを割いてきたように思う。何を隠そうわたしも90年代以降はその中にいたから反省的に振り返っているのだ。そうして成果をあげてきた感があって、次第に、運動としても個人個人の現状と課題よりも、例えば、今年は「ワークライフバランス」や「防災と男女共同参画」、今は「DV」というように、国や県など川上から流れてくる施策の動向に影響を受けている度合いが高いような気がする。それがまったく悪いというのではないが、あまりにそちらに影響されるのもどうか、 一人一人が身の回りにある問題を知り、共有して智恵を出していくことが却って大事なんじゃないだろうか、ということだ。