祖山ダム工事犠牲者慰霊碑と雄神軍事用地下工場跡
昨日、コリア・プロジェクト@富山の10月特番フィールドワークがありました。雨天にもかかわらず、25名ほどの参加がありました。中には東京から取材のためにわざわざご参加の方もありました。朝鮮半島から働きに来ていたことが知られている、庄川の祖山ダム(現在は関西電力;5万4千キロワット出力、約15000軒分相当)、砺波市旧庄川町雄神軍事用地下工場跡などを訪ねた。祖山ダムでは、30名の亡くなった方の慰霊碑がつくられており、関西電力の方に案内していただきご説明を受けた。いまだに韓国の方がお参りに訪ねてこられることがあるということだった。わたしたちもお花と線香を供え、慰霊碑をきれいにしてお参りしてきました。
自分たちが住んでいるほんの近所に、かつての戦争時につくられた地下工場の跡地がいまだに残っており、そこで1500名以上もの朝鮮人が日本人の戦争遂行のために働いていたことなどを、それらの研究者である澤田純三さん、松本文雄さんから現地で詳しくお話しを聞くことができたのは得難い経験であった。澤田さん、松本さんは戦争体験者でもあり、後世にこのような過去があったことを伝えていかねばという強い思いをもっておられるようだった。参加者に戦争を知っている世代が多かったのも、同様の思いからであったように思う。
参加者のお一人である記者さんが書かれた記事が朝日新聞富山版に載っています。
参考文献 松本文雄『司令部偵察機と富山』桂書房
澤田純三「太平洋戦争下の雄神秘密地下工場について」富山近代史研究会『近代史研究』15号:25-35(1992年)
澤田純三 「太平洋戦争下の雄神秘密地下工場(その2)」富山近代史研究会『近代史研究』28号:34-41(2005年)