富山県のパープルリボン・キャンペーン
先日、ハッピーウーマンプロジェクトの方から、DV被害者支援サポーター養成講座「暴力の種を発見すれば、救える命があります」というチラシを渡された。
医療、福祉、教育分野で働く学生向けに作ったので、出講している看護学校や保育士養成学校の授業で学生さんに渡してほしいと頼まれたからだ。ご覧のように、味がある。
「暴力の種」
分 布:家庭、職場学校など。
発芽時期:気の向くまま
特 徴:毒性が強く、生命力も強い。枯れたように見えても注意が必要。
自己尊重トレーニングやアサーティブネス・トレーニング、あるいは(DVの)相談を受けた時にどうしたらいいか、という内容の講座のお知らせでもあり、同時に、それに出られなくても、DVについて関心をもってもらうためのチラシでもあった。デザインもいい感じだ。「種」が気の向くまま、毒を吐いて育っていくイメージを、おどろおどろしくなくイメージで描いている。このデザインは、富山市のKさん作とか。
もう一枚、これは、このブログでも何度か紹介したことのある、高岡DV被害者自立支援基金パサパのチラシだ。これは学校にもっていって掲示してもらってほしいと頼まれたものだ。カラー刷りでメリハリがあり、人目に付くようになっている。自立しようとする被害者さんに生活用品を提供したり、生活資金を貸し出したりして助けているグループだ。
パサパについては、他に、[http://d.hatena.ne.jp/discour/20111016/p1
:title=こんな記事]も参照ください。
こうした地道なDV被害者支援の活動グループが年間100万円の助成金でいろんな活動を工夫してやっておられるのは、ほんと頭が下がる。
最近、とやまパープルリボン・キャンペーンというサイトがあることを知った。富山県が「女性に対する暴力をなくす運動期間」(平成23年11月12日(土)〜25日(金))を中心とした11月の1箇月間を「とやまパープルリボンキャンペーン2011」と位置づけ、テレビCMなどを流し、DV防止普及啓発に取り組んだという。なお、パープルリボンについては、こちらを参照ください。
わたしがテレビをあまり見ないからかどうなのか、サイトにあがっているyoutubeのCM映像は見たことがなかった。そこで、さる学校でDVについて講義をする機会があったので、パープルリボン・キャンペーンのサイトをみてもらって、そこに載っているDV防止のCMを実際にみたことがあるか、どうか、聞いてみた。
すると、今の学生さんは忙しいせいか、見たことがないという声が多かった。中には、インパクトがなさすぎ、という声もあった。確かに、全面うすいピンクで、パサパさんのカラフルに比べると大人しい。タレントさんの呼びかけなども、ハッピーウーマンの「暴力の種」などと比べると、インパクトは強くない気もする。
しかしながら、この事業、調べてみると、DV防止普及啓発事業に係る公募型プロポーザル総額1400万の事業である。県が公募して北日本放送が受託されたようだ。その[採択理由として、「地元出身の若手女性タレントをメッセンジャーに起用し、テレビ、ラジオ、新聞、WEB、ポスター掲示など各種広報媒体を集中的かつ効果的に活用し、統一的な広報を展開することで、県民への認知効果を高めるもの」とか、「趣旨に適したかつ話題性のある出演者を起用したイベントを企画するなど、県民の積極的な参加を促すもの」であったようだ。
どうなんだろう。啓発に力があったんだろうか。このCM放映やイベントの予算額は、県のこれまでのDV予算としては桁はずれに大きいので、気になるところだ。
一方、これまで地道に支援活動をやってきた団体への今年度の支援額は、それぞれ100万である。例えば、DV活動支援事業として総額100万円。
県の予算としては、ハッピーウーマン、パサパなどの5団体に、それぞれ100万ずつで団体への支援額は、総額500万円ということのようだ。【新】DV被害者の自立支援事業 DV被害者自立支援事業やDV防止普及啓発事業を実施する。500万円
小さなグループが知恵を出して考えたチラシには、関わっている人々の志がにじみ出ているように思った。