唖然! ファイトバックの会ブログの再公開

 唖然とする出来事が起きた。山口智美さんも抗議をエントリー化されているが、「館長雇止め・バックラッシュ裁判を支援する会」が、7月3日付けで、過去のブログエントリを公開することにしたというのだ。2004年12月から2008年8月まで続いたが、過去に誹謗中傷問題を起こしてブログ管理者がプロバイダーの規約違反が疑われるからということで閉鎖を決めたブログである。

 一体何のために、再開するのか。まったくもって意味不明の出来事であった。最初、何が起きたのか、話を聞いても口ぽかんという感じで、意味をつかみかねたくらいだ。というのも、私たち有志で、自分たちも関わってこのような誹謗中傷を起こしてしまったことを振り返り反省の意味で、過去のブログ記事全部を読み直し、その問題点やなぜこのようなことを起こしたのかという分析を行ってもいるのだ。その経緯や分析結果については、フェミニズムとインターネット問題を考えるサイトに全部載せている。それなのに、再開とは、、そんな非常識なことをするはずがないと思ったからだ。それに今さらなんでそういうことをするのか、趣旨さえつかみかねている。

 ともあれ、「フェミニズムとインターネット問題を考える」研究会の会員一同で、中止要請を出すことになった。その 中止要請は「フェミニズムとインターネット問題を考える」サイトにアップされている内容である。

 あまりにも非常識な同会ブログの再公開であるが、少し前の出来事なので、改めて、ファイトバックの会の過去のブログがなぜ閉鎖されたかということを、「フェミニズムとインターネット問題を考える」研究会サイトの「ブログの閉鎖へ」から引用する。

 Bさんによる告発があった後、会のブログを見直し、誹謗中傷エントリが非常に多いことに改めて気づいた。Bさんに対するもののみならず、裁判長、証人全員(原告をのぞく)、保守系議員など様々な人々への誹謗中傷が掲載されていた。これは加入していたエキサイトブログ規約違反といえる状況だった(禁止行為中の「他人の信用若しくは名誉を侵害し、又は他人のプライバシー権、肖像権その他一切の権利を侵害する行為」、「他人に対する誹謗中傷、脅迫、嫌がらせ、ストーカー等の行為」などに抵触してくる)。

ブログを契約し、開設した責任をとるために、閉鎖した。閉鎖の際には前もって世話人会にも通知しておき、引っ越しの猶予時間は与えた。また、ログは全部とっておいてあるが、世話人会のほうからそれを求められたことはなかった。 ブログの閉鎖予定について世話人に通知した際にも、とくにMLにおいても個人メールでも、私に対して反対意見が寄せられることはなかった。しかしながら、ブログ閉鎖によって「運動の歴史を消した」といったような批判をだいぶ後になってから私は受けることとなった。だが、「運動の歴史」を保存するという理由で、個人に対する深刻な誹謗中傷、人権侵害の状況を放置することを正当化することはできない。そもそも、ブログは裁判について広く広報し、支援を広げるために開設したものであり、「運動の歴史」を保存するという意味合いは後日にもつこともありうるだろうし、それ自体を否定するものではないが、歴史保存することが第一目的ではないはずだ。

 また、ブログが誹謗中傷表現が多くなったことについては、私自身が「ブログにおける煽りと誹謗中傷への展開」という項目で以下のように書いたところだ。これも少し引用する。

MLで、原告あるいは、強い発言をする会員が口火を切り、それに対して「囃子方」のような役割をする会員が次々と「煽り」となる刺激的な発言を積み重ねていき、その過程で、誹謗中傷の度合いが増していった。ブログでは、それを編集してさらに「煽り」を増長させた見出しをつける。そのために、ブログの誹謗中傷発言はいっそう深刻なものになっていった。
傍聴に来てもらおうと言うことで、公判まで何日だというカウントダウン攻勢をかけたが、カウントダウンをかけること自体が「煽り」となった。カウントダウンは当初3日前から始まったが、そのうち段々長くなり、2007年には10日前より始まるようになっていった。行き過ぎたカウントダウンが「煽り」となり、「誹謗中傷」への流れをつくり出す働きをした。

フェミニズムに対して批判的な発言をする人やグループに対して、しばしば一律に反動という意味の「バックラッシュ」という表現をあてはめた。一旦「バックラッシュ」と認定されれば、逮捕されただけで「ざまあみろ!」と書かれたりするなど、誹謗中傷へと容易に展開した。一種のレッテル貼りであるこの「バックラッシュ」表現も、誹謗中傷へと展開する際の「煽り」表現であった。

 ブログの問題点全体についても参照ください。



 というわけで、研究会を何度も開催し、詳細な分析を行い、また相互に議論した結果、誹謗中傷に当たるとと私たちが懸念するブログを再公開する意味がほんとにわからない。これを公開することで、新たに誹謗中傷被害者が生まれるのではないかと憂慮する。早いうちに、このブログ公開をとりやめられることを強く要請するものである。