扶桑社の中学「公民」教科書と男女共同参画

discour2005-07-07

  • 昨日のブログに書いた扶桑社「公民」教科書p.94「男女共同参画社会の課題」ページである。山口県宇部市の条例のことが書かれている箇所が見えるでしょう。
  • 扶桑社「公民」教科書における「ジェンダー」記述は昨日すでに書いた。扶桑社以外は、中学公民教科書には「ジェンダー」の記述はなかったような印象だったが、本当はどうなのか、ご存じの方教えてください。「ジェンダー」がなくとも、職場での男女の「性別職域分離」について説明されていたのをみた。「ジェンダー」という意味が混乱していることばがなくても、性別役割分業や性別職域分離がきちんと説明されて伝わるように載っているのならそれでいいと考える。
  • 高校の「現代社会」(東京書籍)に「ジェンダー」記述があった。しかし、次のような問題のある記述であった。「女性に対して社会習慣の上で、雇用、教育、社会参加などでの差別がまだ残っている。生物学的な性差をセックス、文化的につくりあげられた性差をジェンダーという。国連で1975年を国連婦人年とし、、、、、女子差別撤廃条約も発効し、、、、、。このような世界的な動きをうけて、各国が、、男女平等の実施に向けた施策を展開している」というような内容だ。
  • これだと、次のような論理になっている。「性差別」がある→それは「性差」があるからだ。→それをなくすために世界各国は、女子差別撤廃条約に準拠して「男女平等」政策を実施している。これだと、「性差別」をなくすために、「性差」をなくすことを主張していることにならないか。これだと、保守派が「男らしさ、女らしさ」をなくすのは間違いだと言っているのにも一定の正当性を認めざるをえないような論理構成だ。教科書がこのようなことを教えているのにびっくりした。しかも、東京書籍だ。東京書籍のって定評があるんじゃなかったですか?
  • 時間がなくて全部の教科書を見てきたわけではないので、他の教科書についてご存じの方があれば教えてください。

〔追記〕昨日くらいから、私のブログ周辺になんとかの「プロフィール」とかいう変なウイルスみたいなのがうろちょろしています。行くところ、行くところついてきちゃうみたいなのです。関係のブログであやしいコメントが書き込まれていたら各自「削除」してやってください。よろしくお願いします。

〔追記2〕本サイトの「ジェンダーとメディア」トップページを改訂しましたところhttp://homepage.mac.com/saitohmasami/public_html/、7月4日から急にアクセス数が2倍に増えました。山口智美さんと運営している「ジェンダーフリー概念から見えてくる女性学、行政、女性運動の関係」についてを充実させているのでそっちの方のご紹介を丁寧にしました。これまでは、Yahooの社会科学>ジェンダー研究(で登録されている)経由で来られる方か、それ以外は「ジェンダー」「ジェンダーとは」で検索かけてこられる方が大半でした。このたびの目次構成替えで、「ジェンダー」の検索がヒットしやすくなったのかもしれません。ここには、「ジェンダー」概念が日本でいつだれによって導入されたかなど「ジェンダー」概念の歴史をたどる論考もあります。いろいろ議論を興す内容盛りだくさんと思います。
〔追記3〕明日は和光大学メディア・リテラシー授業の第12講です(最後から2回目)。前回欠席の方もぜひ出席してください。最後の追い込みに入りましょう。今日は、お昼頃に出ますので、連絡や質問がある人はそれまでにブログ等で連絡してください。