これが「公平・平等」? 富山市議会「質問は年1回」

ばたばた移動していて書くのが遅れたが、富山市議会で大変憂慮すべき出来事が起きた。「12月4日、富山市議会の議会運営委員会は、自民党会派から提案された各議員の一般質問を年1回、60分までに制限するという改悪案を、民政クラブ、公明党社会民主党議員会の賛成のもと、正式に決定しました。」と一人会派の志麻愛子議員は書く。来年6月から、市議会議員がその時々に起きた事件や事態について、当局に質問することができなくなる事態が発生する。年に1回質問したら終わりだからだ。4年の任期中に4回ぽっきりしか質問できないということになる。これで市民から付託した任務が果たせるのか??詳しくは、下記の志麻愛子議員のメルマガをご参照下さい。http://blog.mag2.com/m/log/0000164948/



今朝の北日本新聞によれば、これになんと、議員の「公平・平等を打ち出した」という理屈づけがなされているようだ。そのこと自体信じられないし、それを無批判に載せる北日本新聞もどこに足場をおいているのか、とんでもないと思う。「市議会を振り返って」を書いた浜浦徹政治部記者さん、ほんとに心からそんなことを思っているのだろうか?

議会運営委では、来年6月に導入する一般質問の新ルールを決めた。「一人年一回」を基準に公平・平等を打ち出した会派持ち時間制の導入に一部に反発があるが、60分の制限時間内で何度も質問できる「一問一答方式」を選択可能にした点は期待したい。質問者、当局双方に議場での弁論技術が求められるが、白熱した議論を展開し、多くの市民が議場に足を運ぶきっかけになってほしい。(「市議会を振り返って」浜浦徹政治部記者)


志摩議員によると、全国市議会議長会が1998年に、地方分権のなかでの議会の活性化について「一般質問に対する回数制限や時間制限は、緩和または原則廃止を検討する」ことを提言しているという。富山市がこれに逆行するということは、地方分権の方向ではなく、長いものに巻かれろ、強いものについてこいという方向を選択したことになり、ゆゆしき事態だ。そういう事態を市民にきちっと伝えようとしない地方紙にも困ったものだ。


全国紙のほうが熱心に報道している。以下は、毎日新聞の報道だ。富山市議会:一般質問時間制限 市民フォーラムに70人参加、反対意見相次ぐ /富山http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20061217-00000144-mailo-l16富山市議会:市議1人当たりの本会議一般質問、年間実質1回に制限 /富山http://www.mainichi-msn.co.jp/chihou/toyama/news/20061205ddlk16010179000c.html

同見直しでは年間持ち時間を、所属議員数に60分を乗じた時間を各会派に配分。33人所属の自民は1980分となるが、1人会派は各60分。各持ち時間中、議員が質問できる時間は20分以内となる。一括質問・答弁の方法なら2回まで再質問できるが、持ち時間と質問時間は増やせない。


これは毎日の説明だ。わかりやすいではないか。自民党議員はもともと年1回しかしない人もおられたから不利益は少ない。これまで毎回質問していた一人会派議員が質問機会を封じられることは歴然としている。実際反対しているのは、質問回数が多い議員さんだ。こうやって強い者、声の大きい者に寄り添う北日本新聞には悲しくなる。富山県内での北日本新聞シェアは、かつては60%以上だった記憶がある。今はどれくらいかわからないが、「県紙」と呼ばれるほど購読率が高いから事態は深刻なのだ。


このようなヘンなことがまかり通っているのをどうやったら変えていけるのか。まずはブログを通じてこうした異常事態について広く知らせたい。