*国土交通省とジェンダー

discour2004-10-17

  • 昨日の国土交通省話の続き。国土交通省のお話にはもう一つジェンダー視点から言うと致命的な問題があり、それについて私も質問した。パワーポイントの一つに右の図があった。バートランド・ラッセルは「女性は生物的な分野を得意としている」っていってるから、「女性には子育て、高齢者のお世話などを通して感じることを発信してほしい」んだそうだ。「男性と女性は生まれつきのメンタル面で差異がある」「男性は科学や機械に関係した分野を得意とする」。それに対して、女性は生物だとさ。これはあまりにひどい。男性は文明だけど、女性は自然で動物のままって印象だ。自然のままの女性を、開発の権化みたいな国土交通省イメージに取り込んで、土木行政などハードへの風当たりの強さの球よけに使おうっていう戦略とみた。ほんとはもう道づくりはかなり達成したのだから国土交通省への莫大な予算をカットして、福祉や教育などのソフト部門へと移していかねばならない。しかし、生活者の女性に支持されている国土交通省というイメージ戦略に女性が利用されることで、制度改革が邪魔されるとしたら、女性はここでまた男社会に利用され、はめられたということになる。公共工事に多額の税金を使い、必要なソフト部門にお金が回らない体制を維持することに自ら加担することになる。今日の講演会ではそのからくりが見える機会となってよかったと思う。私が最初に質問したのはこのことだったのだけど、うまく伝わったかな。ここで再度強く強く書いておきたい。
  • 会場にいた女性たちはそのことに気づいたからこそ、ばんばん質問したのだろう。講師には申し訳ないくらいの批判の嵐だった。国土交通省、こういう視点がなったことがばればれだった。だけど、女性との連帯を謳っていて、これまで批判がなかった方が不思議と思える。それとも、うまく女性たちに利用されてきたのかな。
  • 男官僚が女市民を利用しているんだとしたらずるい。でも、女たちも黙っていないぞ。特別養護老人ホームに入るのは4,5年待ちだと聞いた。そんなに待てない。男女平等政策などもお金がないの一点張りで啓発講座でお茶を濁されている。制度改革こそが重要なのに、なかなかことが進まない。こういうからくりでまた女が利用され、制度改革が進まないというのはとんでもない。国土交通省が女を利用して生き残ろうとするのをみて、ジェンダー視点がメインストリームになるにはまだまだ時間がかかるのかなあと思った。でも、会場のあの怒りは世の中を変える力だ。

**国立女性教育会館(ヌエック)の統合問題

  • 表記の件についてメールが飛び交っていますが、現状がどうなっているのかの情報が少ないのでインターネット検索してみました。

http://www.gyoukaku.go.jp/dokuritsu/dai2/sidai.html
例えば、有識者会議がどのような議論をしているか・・とか
そこでのヌエックの存続理由の説明はあまり上手ではないと思いました。
性教育の必要性、わたしでもあまり説得されない感じ、、、

  • 議論の概要(下記)をみても、統合は効率的という議論が支配的です。

<"http://www.gyoukaku.go.jp/dokuritsu/dai2/gaiyo.html">
 

性教育会館は本年度中に取り扱いが決まる機関に入っています。
以下、参照ください。<"http://www.soumu.go.jp/hyouka/seisaku-hyoukaiinkai.htm">
くわしくは、以下。<"http://www.soumu.go.jp/s-news/2004/pdf/040928_2.pdf">

  • 性教育会館の平成15年度の評価内容は以下にあります。

<"http://www.mext.go.jp/a_menu/hyouka/d_kekka/04090201/005.pdf>
社会的に必要とされているかどうかが評価対象になります。
評価されているのは以下の3点です。
ヌエックは、1)実践的な研修機関として役割を果たしているか、2)女性グループの
ネットワーク形成や交流拠点としての役割を果たしているか、
3)女性教育の専門的実践的な調査研究機関としての役割を果たしているか

ことが時宜を得ていると書かれています。
このような評価は、おそらく各地の女性センターの予算や事業計画に
も同様に行われているだろうと思われます。
その意味で、これはヌエックに限らず他のセンターでも
日頃から応用問題として考えてみておくべき問題だと思いました。

  • 追加:

本日の中日新聞に「女子どもをいっしょにするのか。時代錯誤だ」という反対運動について
書いてあります。<"http://www.tokyo-np.co.jp/00/sya/20041017/mng_____sya_____009.shtml" title">

 これをみると、女性教育会館が代々木のオリンピック宿舎跡に合体することになるのかもしれないようです。ほんとにそうなのか、どなたかご存じですか。