市町村合併と条例の行方 

みどりさんから送っていただいた「む・しの音通信」46号で桑名市の男女平等条例の現状について小川まみ桑名市市議会議員が現地からこれまでの経過を報告されていた。それを読ませていただいて思ったことなど書いてみる。事情がわからない点などあり、誤解しているところもあるかもしれませんので間違っていたらご指摘下さい。

本文は、「む・しの音通信」にあります。他にも議会、行政についての勉強会など、いろいろ勉強になる内容盛りだくさんです。ぜひご覧ください。

お仲間が支えてくださっているのでしょうけど、小川さん、議会ではお一人で大変でしょうね。

桑名市の「男女平等をすすめるための条例」は、「三重県桑名市の条例は、市民提案で内容がとてもいい条例ですが廃止されようとしているという話もありますし」(p13-14)、および「三重県桑名市のように市民が主体的に提案して制定された男女平等条例が廃止されたり」(p60)という『We』2/3月号のいい加減な記述により、ないことにされかかっていました(『We』誌には、事実誤認で苦情申し立てをしてもいいくらい迷惑なことです)。

小川議員のご報告によると、法廷協議会で「新市の男女共同参画事業は現行の桑名市の例による」と正式の協議事項に記述されているが、その後議会が合併に伴う失効に便乗した形をとって「失効を求める」決議を出した。現在、市当局はその「決議を尊重した」形に便乗して、上程に向けた取り組みを怠っているように見える。

私が気になるのは次の2点である。1つは、「失効を求める決議」が「条例改正のための検討・研究が「新桑名市」誕生に間に合わない」という理由を挙げていたことである。2つめは、改正予算が47万1千円ついているという点である。

すなわち、条例が上程されないのは「改正の必要性があるため」とされていることが気になるのである。できたばかりの条例にどのような改正を加える必要があるとみなされているのか。

それに関連して次のような疑問が沸いてきた。

  1. 「改正」の必要性が出てきたのはどういう経緯によるのか。
  2. どのような点を改正することになっているのか、改正内容はまだ論議されていないのか。
  3. 改正案を審議する委員会は組織されているのか。そこにはどのような人が入るのか。そしてそこには、前の条例案策定に関わった市民も入っているのか。
  4. 今年度予算で改正がなされるのなら、今年度中に上程案ができるということか。
  5. 条例改正という決定と、「現行の桑名市の例による」という法廷協議事項の関係はどうなっているのか。
  6. 小川議員が「男女平等条例を今すぐに上程することを市民とともに市長に訴えていく」と言われるのは、改正しない現行のままの案でということか。みどりさんが「無傷で制定・施行するよう働きかける」と言われているのも、同じことのように思われる。どうやったらそれが可能になるのか。

いずれにしても、みどりさんが言われるように、「せっかく作った条例や制度が、合併のどさくさ紛れに水面下で消されてしまうなど、きっと法の想定外のこと。当事者が(中略)監視し、条例を守っていくことが必要だ」というのに同感だ。

私が住んでいる富山県高岡市の条例は、11月に「新高岡市」になる際に、「ぎょうせい」に外部委託して「一括上程」されることになっていると担当課から聞いた。内容のチェックを怠らないような取り組みをしたいと思っている。

各地の条例上程案作成については、この「ぎょうせい」という業者さんに外部委託することが多いそうだ。これも、合併の「どさくさ紛れ」に何が起きるかわからない「どさくさ紛れ」の一つではないだろうか。この点についても、ご用心!!

全国で起きている市町村合併に伴い、男女平等(共同参画)条例がどんな状況になっているのか、情報交換していきませんか。