川田龍平さんのお話

昨日、ステップアップ高岡http://www.senmaike.net/challenge/の開講記念講演で川田龍平さん(東京HIV訴訟原告、松本大学非常勤講師)が「個人的なことは社会的なこと」と題してお話しされた。川田さんのサイトはhttp://www.kawada.com/
大変心に染みいるお話で記憶に残ることがたくさんあった講演でした。小学5年生から「死ぬこと」を日々考えつつ「わたしのことはわたしが決める」と社会のもろもろの制度、しくみ、慣行との格闘をしてこられたその経験の中で育まれた思想や態度、行動選択について話されたので心が揺さぶられることが多かったです。
その中でこれまでこのブログで書いてきたこととつながることを一つ記録しておきたいと思います。大体の趣旨はこんなことだったと思います。

個人的なことは社会的なこと、自分の意見をきちんと発言できること、自分のことは自分できめること、これらが重要なことだ。
ところが、「自分の生き方を自分で決める」ということに今ブロックがかかってきている。国旗・国歌法と性教育が闘いの場になっているのは偶然ではない。これらは自分で決めることの中で重要な「心」と「身体」の決定を阻害することである。国旗・国歌法により日の丸君が代強制という形で心の自由を決めることが阻まれている。また、性教育が十分にできない状況に追い込まれているのは身体について自分で決めるということが阻まれている。「日の丸・君が代の強制」と「性教育への規制」この2つは、まさに私たちの「心と身体の自己決定」を阻む行為に等しい。

また、民族差別、部落差別、エイズ患者差別などさまざまな差別についても大変説得的に語られた。女性差別はそのなかでも人口においての多数派であるにもかかわらず、閣僚女子2名でわかるように政治など意思決定過程から排除されているということでたいへんわかりやすい差別だと語られた。

【あとがき1】id:demianさんがこの講演について詳しく紹介しておられるので、トラックバックからお訪ねください(あ、demian さんがおっしゃるような尽力してないんですよ〜)。上記では、ごくごく限られた一端しか紹介していませんが、実はわたしはかつてスモンの薬害関係の翻訳をしていたことがありますhttp://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4250890082/249-1176034-7246734,
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4380862100/qid=1131304250/sr=1-8/ref=sr_1_8_8/249-1176034-7246734
で、製薬会社、医師、医学者、厚生行政などが安全より利益・利害優先になったときにどのように動くかについてはよく知っているつもりのことでもあり、いろいろ走馬燈のように頭の中をめぐっていました。
しかし、川田さんもおっしゃっていたように、いろいろ癒着することや前例主義や不作為責任などもろもろあるけど、よい方向に変えていく可能性も組織の中の一人一人の人間にかかっているのだと思いました。
【あとがき2】
これを書いていてまたまた思い出したこと。「女性運動、女性学と行政」の三者関係を問題にするサイトを開設していますが、これは患者による市民運動、医学者(専門家)、厚生行政の三者関係という、かつて問題を感じていた構図と同じです。
【あとがき3】ステップアップ高岡のブログにこの日の参加者さんの感想コメントがアップされています。
川田さんのパワーは聞いている人たちに伝わったことがよくわかりました。
ステップアップ高岡のブログ参照。http://stepuptaka.exblog.jp/tb/2441311