日本女性学会の選挙過程の公開

2年に一度の日本女性学会の幹事選挙の時期である。得票数の多い人から決まるというやり方なので、わたしが入れたいと思う人はどう考えて選ばれなさそうな人ばっかりだし、、と、数名に○をつけてはみたもののもじもじしていたら投函が間に合わなかった。あまり投函する気になれない理由は、山口智美さんがブログで日本女性学会の幹事選挙について書かれていることと重なる。山口さんは、名前に載っている人たちがどんな略歴をもち、幹事としてどういう仕事をしたいと思っているのかということはいっさいわからないシステムであるから、結局「聞いた事ある名前」、すなわち、有名人とか、あるいはすでに学会幹事を経験したことがある人ばかりに投票が集中してしまうのではないかということを危惧しておられる。最新のニューズレター(112号)によれば、このような人気投票的なしくみではなく「マニフェスト」を出してもらって選挙するとかいう案が出ていたそうだが、それはどうなったんだろうか?


実は、投票締め切り(必着)の前日に、投票率が2割を切っているからまだの人は大至急投票するようにというお知らせが来た。しかし、その日の夕方にお知らせをみたので、それから送っても東京に到着するのは翌日を超してしまう。ちゃんと間に合うのは東京周辺の人だけである。富山からだとよほど頑張って速達にして郵便局に走るとかしないと間に合わないのだ。


で、以前は投票率どのくらいだったんだろうと思い、ニューズレターを繰ってみた。ところが、2年後の14期の選挙については、2006年5月(106号)のニューズレターに、「監事選挙結果について」という報告があり、「3月25日、開票。その結果にもとづき、現在、幹事就任を順次依頼中」とあった。それで、次号の2006年8月号(107号)をみる。すると、そこにはすでに決まった幹事15名の名前が報告されているのだ。井上輝子さんが(代表幹事)だとわかるのだがしかし、このときの幹事はどういう選考過程を経て、どうやって決まったのだろうか、それはまったくわからない。だれがどのくらいの票であがったかくらいはわかってしかるべきではないだろうか。ともかく選挙の過程はできるだけ透明にしておくものだと思う。投票率は2割より低かったのだろうか。どうなんだろう?  まったくもって何もわからない、情報公開されていないということにびっくりした。


しかも、このウエブ版を今みてきづいたのですが、ウエブ版には幹事や代表幹事名が載っていません。「お知らせ *幹事会および会員等からの公共性の高い情報を掲載します。」とありますが、幹事名や幹事の選考過程は公共性の高い情報ではないのでしょうか。個人名を外すというのはわかりますが、責任ある立場の代表幹事などを一切載せないというのは組織としてはどうなんだろうと思います。紙とウエブとの違いについては、山口さんのブログでも以前書かれていましたが、同じようなことが何度もある様子。


次に、2006年の2年前はどうだったんだろうと2004年度の選挙結果を探した。すると、2004年の13期については、2004年8月(99号)のニューズレターで投票総数94、有効投票数92という数字とともに開票日時、開票場所、得票数(5票異常得票順、敬称略)として、得票数が5票以上の方の名前が全部列記されていました。25票戒能民江、22票江原由美子、21票井上輝子、20票舘かおる、17票千田有紀・・・・・と得票数順に、5票以上獲得した方43名全員のお名前と票数がそのまま並べられています(やはり著名な方が得票数多いという結果になっていますね)。この中で得票数の多い方から順に依頼し、10名の承諾を得るというやり方だと思われます。この票数とは別に5名の「委嘱幹事」がある。

さらに、もう1回前の選挙、2002年8月(91号)も見てみると、このときも5票以上獲得した人は全員名前があがっている。最高得票数は49票であった。ちゃんと発表されていたことが再確認できた。これからすると13期とそれ以前は、情報公開されていたものが、なにかの理由で14期の選挙過程が発表されなくなったのだと推測される。


もう一つ不思議なことは、2004年の日本女性学会会員数は2004年11月で713名とある。だとすれば、この年の投票率は10%強である。今年が20%切っているというが、2006年はもっと低かったことになる! (このニューズレターはなぜか、ウエブにはあがっていない。96号-99号が抜けている。どうしてだろう?)これからすれば、今年はずいぶん投票率が上がったのではなかろうか? 2割を切ったというのはどういうことか? 次々とわからないことが出てくる。

選挙の選考過程が前回から公開されなくなったことが発覚した。日本女性学会には、公共性の高い組織であってほしいと願いたい。現在行われている15期の選挙過程や選挙結果についてはしっかりと情報公開していただけるよう期待したい。