「女性センターを問う」
私がこんなことを言うと、どきっとされた方もあるかもしれないが、他の著者による本の紹介である。
「女性センターを問う―「協働」と「学習」の検証」下村美恵子・辻智子・内藤和美・矢口悦子著・新水社(2005年4月刊)
今日富山県立図書館で調べものをしていたところ、友人が標題の本をみつけた。どう?って聞かれた。ぱっとみたところとっても興味深そうだった。ジェンダー、ジェンダーフリーばかりが叫ばれているが、実際に女性センターは性差別をなくすことに実を上げているのだろうか、というような問題関心から書かれているようであった(ぱっとみた印象なので正確ではありませんが、、)。
副題の「協働」と「学習」の検証というのも、おそらく、「協働」ということば、「学習」ということばで推し進められている内実は何なのか?検討しようというものと推し量られた。
即注文入れたので、読んでからまた書き込みますが、このブログに来て下さっている方には興味ある方もいらっしゃるかと思って、タイトルだけでも書き付けておきます。
私は地元の女性センターの運営協議会に関わっている。女性センターが女性差別や人権侵害をカバーする場として機能してほしいと願っているし、さまざまな問題を解決するために機能しているかをチェックする役目だと思い、センターの方向について協議を続けている。
そんな中、状況的にはまずいなあと思っているのは次のようなことだ。今の女性センターが行っている事業が「意識啓発」中心(上記の本では「学習」?)で、女性が内容的にも賃金、待遇的にも周辺労働に押し込められている現状に手をつけていない点だ。それを放置するだけではなく、逆に、「協働」という新たなキーワードを導入し、まちづくり施策への安価なボランティア要員とするかのような方向へ引っ張る力学も強く働いている。
今働き方に問題がある。1990年代以降の長期的不況や経済構造の変化によって、正社員になれずフリーターになる若者が増えている。その一方で週60時間以上働く人の割合も増えている。
しかし、「並みの男以上に働く」なら性別問わず正社員にしてやる、しかし、「仕事もくらしも両立させよう」なんてやつは男でもいらないという雇用状況になっている。これだと正社員になったらコロされる、なりたくもないよというのもわかる。
あ〜、世の中、リブが言っていた「女並み平等」はますます遠ざかっているようだ。どうしたらいいものか。
全国の女性センターでは、柔軟なライフスタイル選択を可能にする試みなどいろいろやってみたいと思っているセンター職員も多いのではないか。いずれにしろ、問題解決には現状分析が不可欠である。早く読みたい本である。