講座の目的って一体何?

discour2006-03-10

講座の目的って一体何?
前のエントリージェンダーって悪いこと?http://d.hatena.ne.jp/discour/20060306ではコメント欄が賑やかでうれしい限りでした。わたしにとってのブログの効用は、自分の頭の中を整理させていただくことなんで、コメントを書き込んでいただけると大変助かります。で、このエントリーではいろいろ書き込んでもらっているのに議論が迷走を続けたのは「何のための講座?」というところが自分ではっきりしていなかったんだなとはたと気づきました。


あっぷあっぷさんが事務局を運営されているステップアップ高岡という民間主体の事業は文部科学省の委託事業ですが、ここではさまざまな講座をやって最後に、そのなかで地域の問題解決につながる企画提案にむすびつけるんです。明日11日がその企画発表を橘市長さんや市民のみなさん(講師の世古一穂さんにも)に投げかける日です。


どんな企画があるかというと、育児で苦労しているヤンママさんたちが、ドラえもんのポケット(違ったかな?)という名前で互助会システムを提案されます。障害児を抱え苦労した経験、子連れ転勤で知り合いがいなくて行政窓口に駆け込んでも「我慢しられ、母親やろ」と言われた経験などを元に、自分達の助け合いシステムを提案するものです。他にも、公民館を身近な拠り所にしたい、どうしたら活性化できるか、パソコン、インターネットで自分達の拠点にしたい、地域コミュニケーションを活性化するにはどうしたらいいかという企画もあります。
(育児互助会、ドラえもんプロジェクトが詳しいのはわたしがそのグループに加わったことがあるからという理由だけです・・)


詳しくはhttp://stepuptaka.exblog.jp/。あるいは明日富山県高岡市へどうぞ。午後13時からですのでいらしてください。http://www.senmaike.net/challenge/



行政が講座をやるのは、単に受講生に受講修了賞を出したり、出口のある講座とかいって講座を修了した人に講師の口を斡旋することではないんですよね。重要なのは、地域あるいは行政で未解決の課題を析出し、それを解決に向けていくことにあると思います。そうした取り組みを促すことにあるのではないでしょうか。その点でいうと、「啓発」講座は逆になります。わかっていない市民に対し、上から教えるというものとなります。それではいつまでも「行政が上」ということになり、協力する学者や知識人?はそれへの協力体制をとっていることになり、現状維持です。世の中を変える力にはなりません。


さて、わたしが関わったメディア講座の場合です。目的が市民の力を発揮するところまで考えていなかったなあと・・・いまいちはっきりしていなかったなあと反省しました。


当面の到達地点として考えられるのはいくつかあります。例えば、なじみのない男女平等センターを身近に感じてもらう(おっかないところではないと確認してもらう)、次にメディアとのつきあい方には人それぞれであることを知る、メディアに影響を受けていることに気づく(「とらわれ」もここに入る)、メディアって考えをやりとりすることだから自分の発信やコミュニケーションはどうしているかを改めて考える、自分でクチコミ、ミニコミ、ブログ発信をやり始めるなどなど。


これは、縦軸を「メディア=何かをやりとりする、コミュニケーション」ということで考えたものですが、この横軸に「ジェンダー」を置くと、自分のジェンダー観を他の人と相対化してみる機会にする、メディアのジェンダー観の歴史的変化を考える、雑誌やテレビ、流行歌などによるジェンダー観の違いから年齢、性別との関係を考える、自分の中で親やメディアの考え方がライフスタイルにどのように影響したかを考える、などなどいろいろ考えられると思います。
横軸を、マスメディアの商業主義に置けば、またいろいろ別の観点で議論を展開できると思います。


しかし、しかし、これらはいずれも地域の問題解決につながるとまでは言えません。その一段階前です。メディア講座だとどうやったら地域問題解決につながるんでしょう? 地域のメディア状況を把握してそれとつきあわせることが必要でしょうか。


一例を挙げると、高岡はブラジル人が多数住まわれていますが、彼女ら彼らはポルトガル語ラジオ、テレビ放送、ポルトガル語新聞なんてないけどどうやって情報とっておられるのでしょうか。


というわけで、講座の目的は、地域の課題をくみ上げ、それを課題解決にむけていくことにあると考えます。自分達の力であるいは行政に提案し、施策として展開するようにしてもかまわないですが、いずれにしろ、問題解決につなげることが大事であり、「啓発」は逆に市民力をそいでしまうのではないかと思うのです。その意味でいうと、メディア講座はいまだ「啓発」の段階にとどまっているような気がしてきました。あっぷあっぷさんが真意が伝わるには時間がかかるとおっしゃっていましたが、当たっていましたわ(トホホ・・)。
これからどうしたらいいのでしょう?? どなたかお考えをお聞かせ下さい。
(23:00 一部わかりづらいところがあると指摘があったので少し改訂しました)