高岡金屋町の「さまのこフェスタ」の仕掛け人
日差しが強く感じるくらい暖かくいいお天気だったので、高岡市金屋町の石畳の通りとその町やを舞台にして拓かれていた「さまのこフェスタ」に出かけてきた。明日からの高岡御車山祭りの前夜祭的なイベントでもあり、また「まちなみアートリレーin とやま2007」のシリーズの一つらしかった。「さまのこ」は格子戸のこと。
この祭りは、フェスタが開催される2日間だけ「さまのこ」のある金屋町の町家を公開し、お家にあるお宝を展示し、訪ねてきた人に見せてあげるという趣旨のものだ。それぞれ天窓があったり、吹き抜けの玄関があったりと伝統的な技を生かした素晴らしい建物であり、またそこにすばらしい伝統の品々が並んでいるのを見るのは楽しかった。独創的なお花も飾られており、古い町を生き生きと蘇らせていた。
うれしい驚きが2つあった。いつもは静かな通りに人人人が溢れているさまにびっくりしたこと。これはいつも伺う大寺幸八郎商店の雅子さんも「お店が人で人でもういっぱいだったのよー、さっきまで」と言われていたが、今は空いてきたというその時も十分に満員御礼だった。いつも静かな高岡の街がこれだけの人出で賑わっているのをみるのは驚きだったし、新鮮だった。
もう一つ。この祭りは、金屋町の女性グループ「藤グループ」(代表:般若陽子さん)の発意と7年間の忍耐強い働きかけによってこれだけ多くのお客さんが来られるまでのものになった。しかし、そのことがあまり知られていないようなのだ。いろいろネットでみてみたが、祭りを盛り上げるのに努力なさった女性たちの貢献があまり表に出ていないようなのでここに記録としてしっかり書いておきたい。(ここにちょっとのっています)昨日も、我が家に訪ねてこられた金屋町在住の男性に話を聞いたが、「なーん大したことないちゃ」と言われていたが、決してそんなことはなかった。高岡の人たちの生活にかける思いや伝統が生活に生きているのをみて刺激された。関心のある方はぜひこちらをご覧下さい。「さまのこフェスタ」7年の歴史がかいまみえます。今年の人出が最高だったんじゃないだろうか。
これは、金屋町に新たにできた鋳物博物館でお客さんにお抹茶を出しておられた般若陽子さんに直接お聞きしたことだが、金屋町のみなさんは最初はおそるおそるだったが、いまではこれだけのお客さんが訪ねて来て下さることでずいぶんとパワーをもらっていると感謝しておられるそうだ。これだけの規模でお宝公開されるお家が揃うまでには、相当みなさんを説得したりとご苦労もあっただろうと想像できる。しかし、ここまでになれば、かえって町の誇りになっていることは間違いない。講演された麻生圭子さんのブログでも紹介されています。
面白いなあ、と思ったのは、
さすが鋳物のまち、銅器のまち。
意識的に行われているようですが、
家の壁まで銅が貼ってあったり、溝の蓋が鋳物だったり。
家の通気口の金物細工が凝っていたり。
格子より、こういうところをもっと上手にアピールすればいいのに、
などと思いました……、
「さまのこフェスタ」は、「めざせ世界遺産」がキャッチフレーズの高岡市にとって、多くの市外・市内の人びとに「わしらの遺産とは何か」を知ってもらう貴重な祭りだと思った。
また、このように地元の貴重な資源を掘り起こして多くの人の目に触れるようにすることもまた大きな事業であり、それを成功させた「藤グループ」のみなさんはすごい!。