男女共同参画イベントは目的を明確にすべきでは?

 先日、高岡市男女平等推進センターの男女平等EXPO2007に参加してきた。「わたしが変われば・・」という経験をネットに書き込まれた市民のみなさんに、リアルの場でお会いできるのは新鮮というか、なんか心弾むものがあった。

 わたしが一番興味を持ったのは、EXPO表彰式のあとの活動発表という名のディスカッションで語られた、地元高岡のトップ企業が今年、女性活躍を経営戦略としてトップダウンで打ち出したということだ。三協・立山ホールディングスが「女性活躍推進グループ」を発足させ、専任となるスタッフを公募で求めたということだった。かつては結婚したら現業に転換になるなど退職が推奨されていたらしい富山の企業も、ようやく・・・ということだろうか。会場に来ておられた人事担当の部長さんも恥をさらしに来るみたいで来るのを躊躇したというようなことも言っておられたっけ。

 公募で名乗り出た中から3人が選ばれ現在女性活躍を阻害する要因を除去するための取り組みを進めているということだ。会場にその3人の女性たちが来ておられ、質疑応答の時に思い思いに発言されていたが、いずれも心強く、ガンバレーと思った。実際に進めているという内容には、女性が活躍できない「阻害要因の実態調査」も入っているということだった。

先行しているはずの地方自治体では、「性別役割分担意識を持つ人がどれだけいるか」といった男女平等に関連する「意識」に特化した調査が大半だと思う。男女平等の「阻害要因の実態調査」をやっているところはあまりないんではないだろうか。会場に出席していた橘高岡市長は、三協・立山ホールディングスの取り組みに言及し、大変参考になった、持ち帰って研究したいというようなことを言っておられたが、自治体の方も理念だけを掲げるのはもういい加減にしてほしい。「ファミリー・フレンドリー企業」表彰など、企業への表彰はもういいから、企業からも学んでほしいぞ。

しかし、EXPOイベント会場では、主催者や司会、当日発表者などの発言に、えっ、これが男女平等事業??と目を疑う場面も多く、男女平等事業が何のために行われているのか、再考しないとまずいのではないかとつくづく思った。なんか惰性でイベントが行われているのではないだろうか。。。

主催者側の発言で、80年代の応募者に「おばあちゃん」と呼びかける場面があった。シングルで毅然とした女性に対し、何を言ってくれるのか、、と思った。せっかく参加された意見募集応募者にも違和感を残したんじゃなかろうか。また、活動発表をしていたPTAの幹部がP連内では、父母とも子育てをしているから「男女共同参画」が課題になったことはないと胸を張っておられたが、会長はずっと男ばかりのP連なのに問題すら認識しないで「男女平等推進センターの活動発表」するなんて、なんかおかしい。当日の司会も、朝食を欠く子供のことが語られた際に、おかあさんの役割ばかり繰り返して場を盛り上げようとしておられた。事前に何を目的としたイベントなのかの打ち合わせがあってしかるべきだったろう。

男女平等や共同参画のイベント、目的をしっかり定めることなく惰性でつづけるべきではないと思う今日この頃だ。